「大型船舶による海洋生物の越境移動」と「リモートセンシング技術による生態系の観測技術」に関する研究のあゆみ
大型船舶による海洋生物の越境移動
大型船舶のバラスト水・船体付着により越境移動する海洋生物がもたらす生態系攪乱の動態把握とリスク管理に関する研究(2004~2006年度)
大型輸送船を実際の調査対象として、バラスト水と船体付着による海洋生物の移入と移出について、モニタリング調査を行い、両移動媒体による海洋生物の移動リスクについて評価しました。
大型船舶のバラスト水・船体付着で越境移動する海洋生物の動態把握と定着の早期検出(2007~2009年度)
大型船舶で移送される海洋生物の遺伝的解析から、移動量の定量的な評価や定着の初期過程と起源についての解析結果に基づいて、両移動媒体による海洋生物の移動リスクについて評価しました。
リモートセンシング技術による生態系の観測技術
湿地生態系の時空間的不均一性と生物多様性の保全に関する研究(2006~2008年)
特に湿地を対象とし、リモートセンシングにより取得可能な情報から、空間統計学的な手法も取り入れて希少種や鳥類、水生生物の分布パターンを推定しました。
森林・草地・湖沼生態系に共通した環境監視システムとデータベースの構築(2007~2008年)
森林、草地、および湖沼という異なった生態系を対象に、景観スケールで比較監視するシステムを構築するための研究を行いました。
指標生物群を用いた生態系機能の広域評価と情報基盤整備(2009~2011年度)
現状の森林生態系観測ネットワークの連携を強化して生態系総合監視システムを構築し、生態系機能の変動を明らかにするための指標生物群を特定することを目的として研究を進めています。
本号で紹介した研究は、以下の機関、スタッフにより実施されました(所属は当時、敬称略)
研究担当者
大型船舶による海洋生物の越境移動
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国立環境研究所河地正伸、功刀正行、出村幹英
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神戸大学川井浩史
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広島大学大塚攻
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(株)海洋生態研究所大谷道夫
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千葉大学山口寿之
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東京大学福代康夫
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東海大学金子仁
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三重大学木村妙子
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静岡県立大学橋本伸哉
リモートセンシング技術による生態系の観測技術
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国立環境研究所小熊宏之、竹中明夫、石濱史子、武田知巳