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2020年2月6日

受賞のお知らせ ~
鈴木主任研究員,TIN-TIN-WIN-SHWE主任研究員,中島室長,野原フェローが室内環境学会で2019年室内環境学会学術大会優秀ポスター賞を受賞

概要

受賞者氏名: 鈴木 武博主任研究員・TIN-TIN-WIN-SHWE主任研究員・中島 大介室長・野原 恵子フェロー(環境リスク・健康研究センター)
賞の名称:  2019年室内環境学会学術大会優秀ポスター賞
授賞機関:  室内環境学会
受賞年月日: 2019年12月05日
受賞対象:  ミャンマーのPM2.5高濃度地区における妊婦臍帯血ゲノムDNAのOXTRメチル化変化,2019年室内環境学会学術大会, 同講演要旨集 , 216-217,2019

ひとこと

代表的な大気汚染物質である微小粒子状物質(PM)による健康影響が懸念されています。粒径2.5μm以下の粒子であるPM2.5は、直接曝露のみならず、妊娠中の曝露によっても影響があり、例えば、産まれてくる子どもの発達や行動に影響を及ぼすことが報告されています。私たちは、DNAメチル化というメカニズムに着目して、曝露要因から将来の健康影響につながるバイオマーカーの開発を行っています。本研究では、ミャンマーにおいてポケットPM2.5センサーを用いたPM2.5の個人曝露量測定と妊婦臍帯血ゲノムのDNAメチル化解析を行い、PM2.5高濃度地域では発達障害に関係するオキシトシンレセプター遺伝子(OXTR)のDNAメチル化が増加していることを明らかにしました。産まれた子どもが発達障害の症状を示すのかどうか今後さらなる検討が必要ですが、臍帯血ゲノムのOXTRのDNAメチル化変化は、PM2.5曝露のバイオマーカーの1つとして有効と考えられます。 私たちは2016年以降、所内公募研究等の支援を受けて、国立環境研究所とミャンマーの主要な医学系大学との間の研究ネットワークを構築しており、本研究は、その成果でもあります。今回の受賞を励みに、今後も化学物質の健康影響評価に貢献しうる研究成果を発信していきたいと思います。