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2017年10月10日

直噴ガソリン車および最新ディーゼル車からの粒子状物質の排出実態と大気環境影響
平成25~27年度

国立環境研究所研究プロジェクト報告 SR-123-2017

表紙
SR-123-2017 [3.92MB]

 近年、燃費の良さを売りにして市場投入が急速に進んでいる直噴ガソリン車から、PM2.5が排出されることが報告されています。現状の未規制状態が続く場合には、自動車からのPM2.5の排出量は増加する可能性があり、懸念されるところです。また、大気中に存在するPM2.5は直接排出される一次粒子の他に、大気中での化学反応によりガスから粒子化して間接的に生成する二次有機エアロゾル(Secondary Organic Aerosol: SOA)がありますが、自動車排気由来のSOAも大気中のPM2.5濃度に大きく影響しているという報告が近年国外でなされています。

 本研究は、大きく分けて以下の二点に着目して実施しました。

  • ・最新直噴ガソリン車および最新ディーゼル車からのPM2.5の排出実態解明を行う。
  • ・排ガス由来のSOA生成能の評価、SOAの原因物質の探索、現在から将来にわたる一次粒子排出量およびSOA生成量推計、そして大気モデルによる大気中濃度の推定を行い、自動車排気の大気環境影響評価を行う。

 得られた実験結果をもとに考えられる将来のPM2.5環境基準達成に向けた対策案としては、直噴ガソリン車由来の一次粒子排出抑制とともに、ガソリン車およびディーゼル車の排ガス由来のSOA抑制対策が重要になると考えられます。また、直噴ガソリン車の一次粒子の排出を抑制するためには、燃料由来の元素状炭素をいかに減らせるかも肝要です。そのためには、燃料成分の改変も視野に入れることが挙げられます。

 本研究成果は、自動車排出ガス対策に資する基礎データとして行政や自動車業界に提供して対策に活用されるだけでなく、今後の研究発展の礎として役立てられています。残った課題であるSOAの原因物質の同定をさらに進めることは、対策をする上で必要であり、今後の研究課題と考えられます。


(国立環境研究所 環境リスク・健康研究センター 藤谷 雄二)

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