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2012年12月28日

湖沼における有機物の循環と微生物生態系との相互作用に関する研究 (特別研究)
平成20~23年度

国立環境研究所研究プロジェクト報告 SR-103-2012

表紙
SR-103-2012 [11.9MB]

 近年、多くの国内外の湖沼で、水に溶けている有機物、溶存有機物(DOM)の濃度上昇が報告されています。湖水DOM濃度の上昇は、湖沼生態系(種組成等)の変化、水道水源としての健康リスクや異臭味など、湖沼環境に大きな影響を及ぼします。本研究では、霞ヶ浦を対象として、新規性の高い分析・解析法と長期モニタリングを駆使して、湖水DOMが漸増するメカニズムを詳細に検討しました。

 その結果、湖水DOMの動態・特性・生産と微生物生態系(藻類やバクテリア等)が相互に強く関与していることが明らかになりました。D体-アミノ酸によるバクテリア起源DOM算定法から、湖水DOMの35~55%はバクテリア起源であることがわかりました。湖水DOM(ほとんどが難分解性)の主な起源はバクテリアと言えます。難分解性DOMの起源別の寄与をモデル解析したところ、降雨0.6%、河川67.5%、下水処理場放流水2.9%、底泥溶出12.0%、湖水柱生産17.6%でした。内部負荷(溶出+湖水柱生産)の寄与は全体の約30%を占め、アオコ発生(藻類種組成の劇的変化)に伴い増大しました。湖内部負荷の重要性が認識できます。

 本研究は、従来の知見と相当に異なる数多くの成果を生み出しました。その成果が湖沼環境研究の新しい方向への一歩になれば幸いです。

(地域環境研究センター 今井 章雄(編者))

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