【研究所行事紹介】
「第26回全国環境研究所交流シンポジウム」 報告
企画部研究推進室
全国環境研究所交流シンポジウムは、「環境研究に関する研究発表、意見交換を通じて地方環境研究所と国立環境研究所の研究者間の交流を図り、共同研究等の新たな展開に役立てると共に、環境研究の一層の推進を図る」ことを目的に、第1回の昭和61年以来、毎年度の第4四半期に開催されているものです。
26回目となる今回は、「地域の生物・生態系が危ない−大気汚染と外来生物の影響−」と題し、平成23年2月16〜17日に当研究所の地球温暖化研究棟交流会議室で開催され、両日の延べ数で132名の参加がありました。冒頭の大垣理事長、長坂雄一環境省環境研究技術室長の挨拶の後、1日目は山本秀正環境省越境大気汚染情報分析官による基調講演「越境大気汚染と生態影響の把握」、それに続いて二つのセッション(合計8の講演)と全体討論が行われました。2日目は牛場雅己環境省外来生物対策室長による基調講演「外来種に係る生物多様性条約COP10の議論を踏まえて」、それに続いて二つのセッション(合計9の講演)と総合討論が行われました。
また、昨年10月に名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されたことから、地方環境研究所の関心も高く、大気汚染の植物への影響から侵略的外来生物の分布や生態系への影響まで広範囲な発表があり、地方環境研究所の大気環境や生物・生態系の研究者が一堂に会し、行政や研究の最新動向を共有し議論する貴重な機会となりました。ご講演いただいた皆様や、企画・運営にご協力いただいた方々に深く感謝申し上げます。
【プログラム】 (敬称略)
| 2月16日 (水) |
| 開会挨拶 | 国立環境研究所理事長 大垣眞一郎 | |||
| 来賓挨拶 | 環境省総合環境政策局環境研究技術室長 長坂雄一 | |||
| 第1部 | 大気汚染・地域植生への警鐘 | |||
| 基調講演 | 「越境大気汚染と生態影響の把握」 | |||
| 環境省水・大気環境局総務課越境大気汚染情報分析官 山本秀正 | ||||
セッション1 光化学オキシダントと植物被害
| 座長 : 武田麻由子 (神奈川県環境科学センター)、青野光子 (国立環境研究所) | ||||
| (1) | 「熊本市における高濃度光化学オキシダントによる大気汚染の現状と発生メカニズム解析」 | |||
| ○福田照美 (熊本市環境総合研究所)、他 | ||||
| (2) | 「兵庫県における光化学オキシダントの濃度分布の把握と評価」 | |||
| ○坂本美徳 ((財) ひょうご環境創造協会兵庫県環境研究センター)、他 | ||||
| (3) | 「アサガオの可視被害とオゾン濃度との関係−C型研究「植物のオゾン被害とストレス診断に関する研究」より−」 | |||
| ○岡崎淳 (千葉県環境研究センター)、他 | ||||
| (4) | 「埼玉県における県民参加を主体としたオゾンによるアサガオ被害調査」 | |||
| ○三輪誠 (埼玉県環境科学国際センター) | ||||
セッション2 大気汚染と森林衰退
| 座長 : 須田隆一 (福岡県保健環境研究所)、清水英幸 (国立環境研究所) | ||||
| (5) | 「大気汚染のブナへの影響及びブナ林総合モニタリング手法の開発」 | |||
| ○武田麻由子 (神奈川県環境科学センター)、他 | ||||
| (6) | 「丹沢産ブナ苗へのオゾンと水ストレスの単独および複合影響」 | |||
| ○伊藤祥子 (国立環境研究所)、他 | ||||
| (7) | 「丹沢地域のブナにおける植生指数とオゾンとの関係解析」 | |||
| ○笹川裕史 (国立環境研究所)、他 | ||||
| (8) | 「摩周湖周辺の樹木衰退および大気汚染について」 | |||
| ○山口高志 (北海道立総合研究機構環境科学研究センター)、他 | ||||
| 全体討論 | 座長 : 青野光子、清水英幸 (国立環境研究所) | |||
| 2月17日 (木) |
| 第2部 | 侵略的外来生物・拡大する脅威 | |||
| 基調講演 | 「外来種に係る生物多様性条約COP10の議論を踏まえて」 | |||
| 環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室長 牛場雅己 | ||||
セッション1 陸域での脅威
| 座長 : 嶋田知英 (埼玉県環境科学国際センター)、清水英幸 (国立環境研究所) | ||||
| (9) | 「鹿児島県内におけるヤンバルトサカヤスデの発生と対策」 | |||
| ○白坂邦三郎 (鹿児島県環境林務部廃棄物・リサイクル対策課) | ||||
| (10) | 「外来アリ類の侵略的特性と防除対策」 | |||
| ○井上真紀 (国立環境研究所)、他 | ||||
| (11) | 「埼玉県におけるアライグマの生息状況」 | |||
| ○嶋田知英 (埼玉県環境科学国際センター) | ||||
セッション2 水域での脅威
| 座長 : 久米一成 (静岡県環境衛生科学研究所)、矢部徹(国立環境研究所) | ||||
| (12) | 「緑潮 (グリーンタイド) を引き起こす侵入アオサの実態把握」 | |||
| ○石井裕一 (国立環境研究所)、他 | ||||
| (13) | 「椹野川河口干潟での自然再生活動と侵入種の影響」 | |||
| ○角野浩二 (山口県環境保健センター)、他 | ||||
| (14) | 「福岡県におけるブラジルチドメグサの分布と植被の季節変化」 | |||
| ○須田隆一 (福岡県保健環境研究所)、他 | ||||
| (15) | 「静岡県における外来種 (フロリダマミズヨコエビ)の生態調査」 | |||
| ○久米一成 (静岡県環境衛生科学研究所)、他 | ||||
| (16) | 「淡水産外来カワリヌマエビ属Neocaridina spp.とその共生動物の日本への侵入と分布拡大および遺伝的撹乱の可能性について」 | |||
| ○西野麻知子 (滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)、他 | ||||
| (17) | 「国立環境研究所侵入生物データベースの進化と活用」 | |||
| ○岡本卓 (国立環境研究所)、他 | ||||
| 総合討論 | 座長 : 清水英幸、矢部徹 (国立環境研究所) | |||
| 閉会挨拶 | 国立環境研究所理事 安岡善文 | |||
