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国立環境研究所特別研究報告 SR-77-2007(平成19年12月発行)
「トキシコゲノミクスを利用した環境汚染物質の健康・生物影響評価法の開発に関する研究(特別研究)」(平成16~18年度)

 近年トキシコゲノミクス技術が飛躍的に進歩したことから,ヒトや生物において,各種化学物資による全遺伝子の発現変化を短時間に網羅的に調べることが可能となっています。しかし,遺伝子発現変化から実際に生体・生物反応がどこまでわかるのかは不明でした。そこで本研究では,トキシコゲノミクスを用いて,環境汚染物質が実験動物や植物,微生物,魚類に及ぼす影響を検出し評価する方法の開発に関して研究を行いました。その結果,トキシコゲノミクスを用いた遺伝子発現解析によって,環境汚染物質の実験動物に対する生体影響や各種生物への影響を効率よく検出できることが明らかになりました。本研究の成果をまとめたのが本報告書です。また本研究では,これらの成果を中心に,環境汚染物質の健康・生物影響研究におけるトキシコゲノミクスの利用例や有効性を紹介するNIESトキシコゲノミクスサイトというWebページを作成し公開しました。そちらも,本報告書とあわせて活用していただけたらと思います。

(環境健康研究領域 野原恵子)

国立環境研究所特別研究報告 SR-78-2007(平成19年12月発行)
「有機物リンケージに基づいた湖沼環境の評価および改善シナリオ作成に関する研究(特別研究)」(平成16~18年度)

 本研究は,近年,多くの湖沼で報告され遍在的な広がりを見せている難分解性で溶存態の有機物,難分解性DOMの漸増現象に着目したものです。その漸増メカニズムを明らかにするために,霞ヶ浦を対象として,湖水有機物(DOMや粒状有機物[POM])の化学的組成特性(分子サイズ,糖類組成,炭素安定・放射性同位体比等)からその分解性や起源を評価する手法を開発し,湖水や底泥中でのDOMの特性と起源,生産と分解性,および微生物群集との連動関係を評価することを目指しました。さらに,詳細なモニタリングデータと湖内3次元流動モデルを用いた解析により,発生源対策に係る費用対効果を具体的に算定しました。その結果を踏まえて,湖沼水質保全計画(平成22年)で設定された有機物削減の目標値をクリアすることが可能な改善シナリオを提言しました。

(水土壌圏環境研究領域 今井章雄)

国立環境研究所研究報告 R-197-2007(平成20年1月発行)
「八景の分布と最近の研究動向」

  これまでに日本全国の地方自治体の協力により,日本における八景の資料が集まり,全国の市町村における分布と設定年代が明らかとなりました。これらの中から注目すべき八景を選定しその資料を掲載しました。また日本における八景の研究や中国,韓国,台湾における八景の研究状況も収集されました。これらをまとめ印刷・出版することは,これからの八景研究を推進する上で重要な資料となります。この報告書を国内外に配布することは,古代中国に発生した東アジア固有の風景評価である八景を世界に示す資料となります。このデータを分析することにより,風景評価が気候風土や文化的背景により影響されることを示すでしょう。

 

(社会環境システム研究領域 青木陽二)

「環境儀」No.27 アレルギー性疾患への環境化学物質の影響
(平成20年1月発行)

 近年,子供たちをはじめとして成人にも増えているアトピー性皮膚炎,アレルギー性喘息,花粉症や化学物質過敏症などのアレルギー性疾患については,様々な原因が取り上げられています。しかし,アレルギー反応は,生命維持に不可欠な免疫反応と密接な関連を持つことから,要因が複雑に絡み合っている可能性も高く,その特定は困難を極めています。「環境儀」第27号では,「環境化学物質への曝露」という観点から,「アレルギー性喘息とディーゼル排気微粒子」及び「アトピー性皮膚炎とプラスチック可塑剤の一種」の2件の関連を実験用のマウス(ハツカネズミ)を使って行った研究,またマウスの培養細胞を使った迅速な評価手法の開発について,環境健康研究領域井上健一郎室長,小池英子主任研究員,柳澤利枝研究員の研究をわかりやすく紹介しています。環境化学物質のアレルギー性疾患に対する影響の全体像解明には至っていないものの,極低濃度曝露でも影響が出る可能性を示す結果も得られています。

(「環境儀」 第27号ワーキンググループリーダー 植弘崇嗣)