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2014年12月31日

持続可能性の評価に求められるもの(占有の概念)

コラム1

 都市の持続可能性には、環境、社会、経済などの分野に渡る多様な要素が関係しており、それぞれに様々な評価指標が提案されています。これらの全てを考慮に入れることは容易ではありませんが、なるべく視野を広げて評価を行うことが大切だと思われます。持続可能性を考える際には、その存在量や供給量が不足する可能性のあるもののことを考えることが重要です。

 人類がこのままのペースで利用し続けると、存在量が足りなくなる可能性のあるものとしては、身近で大量に利用されている鉄や銅などの主要金属類や、金などの埋蔵量の少ない希少金属類などの「物質」、都市が存立する場所であり、生態系にとっても重要な「土地」、そして製品やサービスの提供に欠くことのできない「労働」などが挙げられます。

 供給量が不足する可能性のあるものには、環境が「汚染物質」の隔離や無害化を行うことができる能力が挙げられます。また、淡水のように、湖沼に蓄えられている地球上の全貯在量よりも降雨としての供給量が重要なものもあります。

 私たちは、これらの広い意味での「資源」を「占有」している状態を計測することで、持続可能性を俯瞰的に評価する指標の開発を行っています。占有とは、ある個人や集団(会社、地域、国など)が、他の人々には利用できないように独占的に利用している状態を指します。

 例えば、自動車を所有している人は、車体を構成する鉄を占有していることになります。しかし、自動車を廃車にした後は、鉄はスクラップとして次の人に引き継ぐことができます。都市を持続可能にするには、必要最小限の資源を現役世代の間で適切に振り分け、そして次世代に引き継ぐことが重要です。

 一時の消費で終わってしまうのではなく、次世代に引き継げる「占有」という状態の計測により、持続可能性の評価を適切に行うことができると考えています。そして占有量を全体の容量で割り算することで、異なる要素の占有の影響を、「年」という時間の単位に揃えて比較することができます(図1)。単位を揃えることを規格化と言いますが、資源占有率という規格化された指標にすることによって、異なる要素を比較しやすくなるのが利点です。資源占有率が小さいほど、より持続可能であると判断できます。

図1
図 1 資源占有率指標の概略図

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