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2013年4月30日

環境スペシメンバンキング
- 環境の今を封じ込め未来に伝えるバトンリレー

環境儀 NO.48

柴田康行
身の回りの環境を絶えず監視して必要な警告を早く出せるよう、様々な環境モニタリング活動が行われています。
今回はそれを補う事業として、環境試料を長期に保存して見逃しの有無の確認や対策効果の検証を可能とする環境スペシメンバンキングをご紹介します。

 国立環境研究所には、環境試料タイムカプセル棟と呼ばれる建物があります。2004年に完成した2階建ての比較的新しい実験棟で、中に入るとガラスの向こうに銀色に輝く巨大なタンクがずらりと並んでいるのが目を引きます。ガラス越しにしばらく眺めていると、白衣に身を包んだ人が現れてタンクの蓋をあけ、あたりに立ち込めるもやの中で凍結試料を出し入れするところを目撃できるかもしれません。銀色の配管で結ばれた、SF映画に出てきそうな不思議なタンクの列、これが環境の今の状態を記録する様々な試料を長期に保存し、未来に伝える「環境スペシメンバンク」、またの名を「環境試料タイムカプセル」と呼ばれる施設なのです。自動供給される液体窒素で冷やされたタンクの中には、日本各地から集められた二枚貝が細かく砕かれ均質にされて保存されています。また、市民参加型の新しい環境モニタリング並びに試料収集プログラムとして、トンボの収集、保存なども進められています。

 地味で気の長い事業ですが、その意義と重要性が認められて、環境スペシメンバンキングは国際条約にも位置づけられることとなりました。本号は事業の一端をご紹介します。

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