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令和7年度食品健康影響評価技術研究「ベイズ論的アプローチを用いたベンチマークドース法の適用に関する研究(令和 7年度)
Research on the Application of Benchmark Dose Methods Using a Bayesian Approach: Food Health Impact Assessment Technology Research

予算区分
内閣府食品安全委員会
研究課題コード
2526KZ001
開始/終了年度
2025~2026年
キーワード(日本語)
化学物質,リスク評価,ベイズ統計,モデル平均化
キーワード(英語)
Chemical,Risk assessment,Baysian statistics,Model averaging

研究概要

健康影響評価における客観性の高いPODの算出には、ベンチマークドース法の適用が推奨される。ベンチマークドース法は、近年ベイズ論的なアプローチに基づく用量反応モデルの平均化によるBMDL算出法が主流となりつつあるが、未だ行政利用例は乏しい。更にEFSAやNIEHSなどで公開されているソフトウェアではベイズ推定の要となるモデル予測に必要なパラメータ推定のための事前分布の設定の方法が異なっている。食品安全委員会の現時点でのガイダンスでは、事前分布については無情報分布が推奨されているが、実際にはこれらのソフトでは弱情報または有情報分布が採用されており、データセットによっては事前分布影響を受けて異なるBMDL値が算出される可能性がある。申請者らによるこれまでの研究においてはデータセットの種類や、事前分布のパラメータの設定の違いで、BMDLが異なることが判明している他、ベイズ推定後の事後確率の分布が収束しない結果になることも明らかとなっている。これらの計算結果は、モデル平均化後のBMDL値に大きく影響を与えることから、ベイズ論的なアプローチに基づくベンチマークドース法の適用に関して、データセットの選定や各種パラメータの設定法についてガイダンスなどの指針を作る必要性が示されたところである。本研究では、統計学的及びリスク評価的に妥当なBMDL値を得るための検討作業および、複数の専門家の意見収集を行うと共に必要な追加の検証等を行ってベンチマークドース法の適用指針案を作成する。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

本研究では、連続値データも含めたベイズ法を用いたソフトウェアの中でソーズコードも含めて無償公開されて利用することのできる2つのソフトウェア(EFSAの”Bayesian BMD”とNIEHSの“ToxicR”(現時点では国際的に無償利用できるのはこの2つしかない))を主な解析ソフトウェアとして用い、それぞれのソフトウェアに含まれる事前分布パラメータの設定値がBMDL値に与える影響やデータセットの特徴に応じて事後分布の収束性やBMDL値との関係性を解析し、統計学的及びリスク評価的に妥当なBMDL値を得るための検討作業を初年度に行う。次年度はこの検証作業に基づいて得られた知見を整理して、複数の専門家の意見収集を行うと共に必要な追加の検証等を行ってベンチマークドース法の適用指針案を作成する。

今年度の研究概要

連続値データも含めたベイズ法を用いたソフトウェアの中でソーズコードも含めて無償公開されて利用することのできる2つのソフトウェア(EFSAの”Bayesian BMD”とNIEHSの“ToxicR”(現時点では国際的に無償利用できるのはこの2つしかない))を主な解析ソフトウェアとして用い、それぞれのソフトウェアに含まれる事前分布パラメータの設定値がBMDL値に与える影響やデータセットの特徴に応じて事後分布の収束性やBMDL値との関係性を解析し、統計学的及びリスク評価的に妥当なBMDL値を得るための検討作業を行う。

外部との連携

研究代表者は化学物質評価研究機構の広瀬明彦であり、化学物質評価研究機構と国立医薬品食品衛生研究所との共同研究である。

関連する研究課題
  • : 環境リスク・健康分野(イ政策対応研究)

課題代表者

林 岳彦

  • 社会システム領域
    経済・政策研究室
  • 主幹研究員
  • 理学博士
  • 生物学
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