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金属分析技術を応用した野生動物のナノプラスチック・添加剤の地球規模モニタリング (令和 7年度)
Application of Trace Metal Analysis to Global Monitoring of Nanoplastics and Additives in Wildlife

予算区分
CD 文科-科研費 挑戦的研究(開拓)
研究課題コード
2527CD018
開始/終了年度
2025~2027年
キーワード(日本語)
ナノプラスチック,微量金属分析,添加剤
キーワード(英語)
nanoplastics,trace metal analysis,additives

研究概要

金属標識ナノプラスチックを動物に投与し金属をトレーサーとした高感度元素分析を行うことで、NPsの体内動態を初めて解明し、特定されるNPs高蓄積性の組織を対象とした世界初の野生動物におけるNPs・添加剤モニタリング法を開発・展開することで、汚染実態及び健康影響とその種差を明らかにして、生態系への影響を考慮したNPsのリスク評価管理に繋げる。

申請者らは、野生鳥類が大気中マイクロプラスチックを吸入し、呼吸器系に蓄積していること、プラスチック成形加工時の高温や使用時の紫外線曝露などによって起こる酸化劣化を低減させるための各種添加剤がプラスチックの経口摂取により海鳥の肝臓や脂肪組織に
高濃度に蓄積し、毒性を発現することを証明した。本研究の目的は、ナノプラスチックを金属標識して金属をトレーサーとした高感度定量分析により、ナノプラスチックの体内動態を初めて解明し、世界初の野生動物におけるナノプラスチックとその添加剤、吸着物質
のモニタリング法を開発・展開することで、汚染実態及び健康影響とその種差を明らかにすることである。本研究は動態・濃度・影響予測の難しいナノプラスチックに対し、従来より高感度の濃度分析法や毒性評価を可能にする挑戦的な課題であるが、生態系への影響
を考慮したナノプラスチックのリスク評価管理に重要な役割を果たす。本研究成果は、新興汚染物質であるナノプラスチックの環境基準値の設定や生体・生態毒性評価法の確立に貢献できる。また、野生動物のモニタリング技術を世界に先駆けて開拓し、国際的な標準 手法として発展していく。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

金属標識ナノプラスチックを動物に投与し金属をトレーサーとした高感度元素分析を行うことで、NPsの体内動態を初めて解明し、特定されるNPs高蓄積性の組織を対象とした世界初の野生動物におけるNPs・添加剤モニタリング法を開発・展開することで、汚染実態及び健康影響とその種差を明らかにして、生態系への影響を考慮したNPsのリスク評価管理に繋げる。

今年度の研究概要

自然環境を模したナノプラスチックの動物への影響について調べるため、国立環境研究所の保有する技術によって材質、粒径の異なる球状NPsを作製し、太陽光を模した紫外線照射によって表面改変(劣化)したものを、マウスまたはラット及びウズラに対し経口及び経鼻/吸入曝露曝露を行う。粒子作製に係る技術、装置の提供を国環研・田中が担当する。

外部との連携

研究代表者:石塚 真由美・北海道大獣医学研究院・教授
研究分担者:中山 翔太・北海道大獣医学研究院・准教授

関連する研究課題

課題代表者

田中 厚資

  • 資源循環領域
    資源循環基盤技術研究室
  • 研究員
  • 博士(農学)
  • 化学,農学
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