- 研究課題コード
- 2527CD014
- 開始/終了年度
- 2025~2027年
- キーワード(日本語)
- PFAS,生分解,集積方法の開発
- キーワード(英語)
- PFAS,Biodegradation,Development of accumulation methods
研究概要
ペル/ポリフルオロアルキル物質 (PFAS) は、環境中で極めて分解されにくく、一部のPFASについては有害性が指摘される等、世界的にPFAS汚染とその対策について関心が高まっている。興味深いことに、我々が開発した「植栽ユニット」において、生物分解が生じ得ることが示唆された。本研究では、植栽ユニットの分解微生物の集積能力に着眼し、 (1) PFASの微生物分解が生じる集積条件及び分解微生物群を探索するとともに、(2) 様々な汚染水を対象とし、本集積手法の適用可能性を評価する。更に、(3) PFAS分解微生物群の分離と分解特性の解明を目指す。本研究を通じて、生物分解が生じる条件を特定できれば、PFAS浄化の分野を大きく前進させる画期的な発見となる。更に、本研究成果は、他の有害化学物質への展開も期待され、波及効果は大きいものと考えられる。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
【課題1:PFASの微生物分解が生じるための集積条件の探索】植栽ユニットでの効率的なPFASの除去が生じる条件を検証する。上記試験及び文献調査を通じて、PFAS除去・分解の必要要因及び促進/阻害因子を抽出し、PFASの微生物分解を目的とした、集積手法を開発する。
【課題2:様々な汚染水に対する本手法の適用可能性評価】開発した集積手法を用い、PFAS含有排水を対象に集積培養を行い、PFASの除去・分解性能を評価するとともに、微生物群の集積挙動を明らかにする。様々な実汚染水を対象に同様の試験を実施し、本手法の適用可能性を評価する。更に、これら結果を比較解析し、PFASの微生物分解が生じるための集積条件を明らかにする。
【課題3:PFAS分解微生物群の分離と分解特性評価】課題2において、効率的なPFASの除去・分解が確認された集積試験系を対象に、分解微生物群の分離を試みる。分離できた場合は、基礎的培養特性および分解特性を評価する。
今年度の研究概要
植栽ユニットでの効率的なPFASの除去が生じる条件を検証し、その過程での分解生成物の挙動を解析する。上記試験及び文献調査を通じて、PFAS除去・分解の必要要因及び促進/阻害因子を抽出し、PFASの微生物分解を目的とした、集積手法を開発する。
- 関連する研究課題
- : 資源循環分野(イ政策対応研究)
課題代表者
尾形 有香
- 資源循環領域
試験評価・適正管理研究室 - 主任研究員
- 博士 (工学)
- 生物工学