- 研究課題コード
- 2528CD006
- 開始/終了年度
- 2025~2028年
- キーワード(日本語)
- 脱炭素化シナリオ,農業,土地利用,食料需要
- キーワード(英語)
- Decarbonization scenario,Agriculture,Land use,Food demand
研究概要
現在、世界の150を超える国がカーボンニュートラル目標を掲げ、各国で脱炭素化の議論が進んでいる。農業・土地利用変化由来の温室効果ガス排出は全体の約2割を占め、特に途上国では人口増加と経済発展に伴う食料需要増により、本分野での削減策が重要である。従来の分析ではアジアやアフリカが大陸単位で扱われ、食生活や植生などの地域的特徴が十分に考慮されていなかった。そこで本研究では、食生活、対策技術、陸域環境を地域・部門詳細に取り入れ、国別の農業・土地利用分野の脱炭素化シナリオを開発することを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
本研究では「世界の食料需要を満たしつつ脱炭素化するには、世界各国はどのような対策・取り組み(農業技術革新、土地利用管理、食生活の変更)が求められるか?」を明らかにすることを目的とする。そのために、従来研究で抱えていた問題を克服し、詳細な地域・部門解像度で世界の農業・土地利用分野の排出削減効果を推計するモデルを開発する。そして、開発したモデルを用いて、以下の2つの点を定量的に示す。
1)世界170ヵ国、今世紀を対象に、各国将来の人口増加、経済発展に応じた食生活の変化
2)上述の食料需要を所与とし、それを満たす各国での将来の農業生産と土地利用変化の見通しと、脱炭素化に必要な具体策(農業技術革新、土地利用管理、食生活の変更など)
今年度の研究概要
土地利用モデル開発を最初の2年で実施し、これと並行して、技術選択モデルの開発、食料消費推計を行う。初年度は、経済成長等に応じた食料需要の国別・財別の推計作業を進めるとともに、経済モデルとの接続方法についても検討する。
外部との連携
研究代表者:長谷川知子(立命館大学)
その他の共同研究期間:京都大学
課題代表者
土屋 一彬
- 社会システム領域
地球持続性統合評価研究室 - 主任研究員
- 博士(農学)
- 農学