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気候変動に伴う健康影響に関するデータ収集・データドリブンな解析(令和 7年度)
Data Collection and Data-Driven Analysis of Health Impacts Associated with Climate Change

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) S-24-5(1)
研究課題コード
2529BA002
開始/終了年度
2025~2029年
キーワード(日本語)
気候変動,健康影響,データドリブン
キーワード(英語)
Climate Change,Health Impacts,Data-driven

研究概要

重度熱中症の予防のためには、WBGTを予想し国民に一次予防を促すことが最も効果があると思われるが、暑熱による健康被害の実態把握は依然、総務省の救急搬送者数などに依存しており、即時性の高い発生者数の把握は難しい。またこれらの多くが、救急患者や病院受診者等、医療機関にリーチできた患者のみからのデータ取得であり、死亡に至る重症熱中症患者の予備群となる、軽症・中等症患者の行動様式や患者を取り巻く環境については明確になっていない。さらには熱中症の発症から重症化、死亡といったタイムラインを追っての個々の患者評価自体が困難な状況にある。
 そこで本研究では、熱中症の初期診断、予防啓発から医療機関への受診誘導、患者重症化予防を促しつつ、個々の患者データを領域横断的に取得する熱中症アプリを開発する。発症時の位置情報・発症様式・環境の情報を個々の患者よりタイムリーに取得することで、WBGTのみを基準とする熱中症(特別)警戒アラートに対する補足因子たるべき情報を収集し検討する。 また入力には直接入力によらないチャットボットも用い、患者状態のキーワードから前方視的、後方視的なデータ取得を一連として行ない、二次的解析に資するシステムを考案し、モデル地域を選定した上で実証に繋げる。
 国立環境研究所は本研究に研究分担者として参画し、アプリ開発に係る支援・助言・項目作成等を担当する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本共同研究課題においては以下の具体的目標の達成に向けた研究を実施する:
(1) 熱中症アプリの開発とテストラン
(2) 熱中症診断チャットボットの開発
(3) GPSデータに相応する環境因子の同定
(4) 地域におけるWBGTデータとの突合・発症者数・死者数との比較
(5) 各地域での重症熱中症が発症する閾値を検討
(6) 熱中症特別警戒情報の閾値の地域別,季節別評価
(7) アプリが示す応急処置や指定暑熱避難施設情報等による予防効果判定
(8) モデル地域における使用と全国展開

今年度の研究概要

2025年度:熱中症アプリの開発とテストラン等に取り組む。

外部との連携

日本医科大学、広島大学、アルム、気象業務支援センター

課題代表者

岡 和孝

  • 気候変動適応センター
    気候変動影響観測研究室
  • 室長(研究)
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