- 予算区分
- 「きぼう」利用定型プロトコルによる医学研究テーマ
- 研究課題コード
- 2430KZ001
- 開始/終了年度
- 2024~2030年
- キーワード(日本語)
- 宇宙,微量元素
- キーワード(英語)
- space,trace element
研究概要
生体を構成するセレンや亜鉛などの必須微量元素は、生体内の様々な代謝反応に必須の役割を担っており、その欠乏は生体障害や疾患リスクの増加につながる。これまで、必須微量元素は食事摂取量に依存した変化が中心に研究されてきたが、酸化ストレスを始め多様なストレスが必須微量元素レベルに大きく影響することが分かってきた。一方、カドミウムや水銀などの有害重金属は、必須微量元素の生理作
用を阻害して毒性を示すことも明らかとなった。そこで本研究では、網羅的な微量重金属解析法“メタロミクス”を用い、宇宙飛行士の微量元素プロファイルを取得し、宇宙環境が微量元素に及ぼす影響を明らかにする。また、重金属レベルも評価することで、宇宙空間における環境汚染物質暴露を検証する。本研究より、必須微量元素を最適に保ち、宇宙空間で暴露される多種多様なストレスに対応した健康維持管理システムを提案する。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
宇宙空間が及ぼす微量元素代謝への影響が明らかになるとともに、重金属暴露の影響が解明され、宇宙空間で変動する元素のサプリメント開発など、宇宙開発を進める上で重要な健康管理システムを提案できる。さらに本研究が発展することで、メタロミクスの迅速アッセイ系開発からオーダーメイド型の健康維持管理システムの創出や、様々な疾患の予防・人類の健康寿命延長に貢献することができる。
今年度の研究概要
宇宙実験実施前の地上実験を行い、日常環境における変動や実験クライテリアの構築を進める。
外部との連携
東北大学、JAXA
- 関連する研究課題
- 26422 : PJ3_全懸念化学物質の多重・複合曝露の把握を目指した包括的計測手法の開発に関する研究
- : 環境リスク・健康分野(ア先見的・先端的な基礎研究)
- : 環境リスク・健康分野(ウ知的研究基盤整備)
課題代表者
岩井 美幸
- 環境リスク・健康領域
曝露動態研究室 - 主任研究員
- 博士(医学)
- 薬学,医学,生化学