- 予算区分
- BA 環境-推進費(委託費) サブテーマ1
- 研究課題コード
- 2426BA007
- 開始/終了年度
- 2024~2026年
- キーワード(日本語)
- PFAS,発がんリスク,前向きコホート研究
- キーワード(英語)
- PFAS,Cancer risk,Prospective cohort study
研究概要
有機フッ素化合物(per and polyfluoroalkylsubstances , PFAS)は、耐水性、耐脂性、防汚性などに優れた特性を持つため、コーティング剤、界面活性剤、表面処理剤など様々な用途に使用されている。しかし、環境残留性と生体蓄積性が高く、発がん性をはじめ、肝機能異常、内分泌系異常(特にコレステロール値などの脂質異常)など、様々な健康影響が報告されており、疫学研究からのエビデンスが求められている。本研究では、1990年に開始した8県の一般住民を対象とした前向きコホート研究(多目的コホート研究)において、1990−94年に採血されてから現在まで、−80℃で保存されている血液を用いて、まずは、診断前の血中PFASとその後に診断されたがん罹患リスクとの関連を明らかにする。対象とするがんは、1990年から2009年までに診断された3,734例の全てのがん(主ながんの種類:胃がん719例、大腸がん712例、乳がん252例、肝がん178例、膵がん138例、腎がん53例等)であり、コホート集団からランダムサンプリングしたサブコホート4,456人で設定したケースコホート研究の、合計8190人において8種類の血中PFAS測定を行い、がんリスクを明らかにする。また、4,456人サブコホート集団において、PFAS濃度と、特定健診データから判明する代謝性疾患(主に肝機能異常1000名、脂質異常800名)や、様々な疾患の最終帰結である死亡(900名)との関連を明らかにし、血中PFAS濃度を規定する遺伝および環境因子の検討も行う。本研究において、一般住民における血中PFASとがんとの関連について、報告が少ないすべてのがんリスクを明らかにするのみならず、肝機能異常、脂質異常、死亡との関連も明らかにできる国際的にも価値の高い研究となる。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:行政支援調査・研究
全体計画
サブテーマ1を担当する。
先行研究で関連の有無が明確ではない、PFASとがんとの関連について、多目的コホート研究のケースコホート研究において明らかにする。具体的には、罹患前保存血液を用いて、8種類のPFASを測定し、全がん3,734例とサブコホート4,456人について、以下の検討を行う。
・全がん、および、各種がん(胃がん719例、大腸がん712例、乳がん252例、肝がん178例、膵がん138例、腎がん53例等)との関連について、
(1) 血中PFAS低濃度群と比較した高濃度群の全がん・各種がんリスクの解析
(2) PFAS濃度1単位当たりの増加リスクの解析
(3) 量依存性の関連、線形・非線形関連解析
今年度の研究概要
血中PFASの分析を行う。
外部との連携
国立がん研究センター
- 関連する研究課題
- 26424 : PJ5_包括健康リスク指標と包括生態リスク指標の開発に関する研究
- 26422 : PJ3_全懸念化学物質の多重・複合曝露の把握を目指した包括的計測手法の開発に関する研究
- : 環境リスク・健康分野(ア先見的・先端的な基礎研究)
課題代表者
中山 祥嗣
- 環境リスク・健康領域
エコチル調査コアセンター - 次長
- 博士(医学)
- 医学,化学
担当者
-
磯部 友彦環境リスク・健康領域
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岩井 健太環境リスク・健康領域
-
NGUYEN Thi Thanh Hue環境リスク・健康領域