ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

超高濃度の阻害物含有廃水からエネルギー回収を目指した新規バイオリアクターの開発(令和 6年度)
Development of a novel bioreactor for energy recovery from wastewater containing ultra-high inhibitors

研究課題コード
2425CD003
開始/終了年度
2024~2025年
キーワード(日本語)
メタン発酵,硫化物,アンモニア,阻害物,リアクター
キーワード(英語)
Methane fermentation,Sulfide,Ammonia,Inhibitor,Reactor

研究概要

本研究では、オリジナル技術として嫌気性バイオリアクターの開発を進めることで、阻害物を高濃度で含む排水へのメタン発酵を実現することを目指す。本研究ではバイオリアクターをデザインして制作するとともに、模擬排水を用いた連続運転による性能評価を行う。さらに、リアクター技術の改良や運転条件の設定により、超高濃度の阻害物を含む排水への適用を目指す。また、阻害物除去とともに、有用資源の回収を進める。以上により、リアクター技術のラボスケールでの技術実証を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

リアクター試験では、容量10L程度のラボスケールリアクターを運転してデータを取得する。この時、リアクターは中温(35℃)で運転し、人工排水(有機物、阻害物、栄養塩などを含む)を連続的に供給し、水質、ガス組成、汚泥性状、微生物相、安定同位体比などのパラメータを測定する。本連続運転試験は、リアクター性能の評価や改良を目的として、運転条件を変更しながら、繰り返し行うことで効率的に実施する予定である。
リアクター性能の評価方法は、ルーチン的に取得する水質、ガス生成量、ガス組成に基づいて評価する。例えば、阻害物として硫化物の影響評価を行うのであれば、流入および流出の硫酸塩、硫化物濃度などの水質に加えて、ガス発生量および硫化水素濃度から、物質収支に基づいた評価を実施する。さらに有機物除去やメタン転換率を踏まえて、リアクター性能の安定性の評価を行う。本研究では、阻害物の除去効率に関しては、ガス発生量に対する阻害物除去量で評価する。技術開発では、ガス発生量当たりの阻害物除去量を高めて、阻害物除去効率の向上を図る予定である。
初年度には、処理技術の実証として、2つのリアクター(実験系および対照系)を並列で運転し、人工排水を供給した連続運転により性能比較を行う。模擬排水は、易分解性の有機物を主成分として、硫化物もしくはアンモニアなどを加える。本実験の結果から、既存の技術に対する本技術の優位性を明らかにする。さらに本研究期間内においては、本リアクターの処理性能に及ぼす各因子の影響を把握し、実際のリアクターを設計する際の設計指針となりうるデータの取得を進める予定である。
また、2年目には、超高濃度の阻害物含有排水への適用を重点的に進め、連続実験では、段階的に阻害物濃度を増加させることで、有機物濃度(発生バイオガス量)に対する阻害物除去濃度により最大許容濃度を求める。また、各阻害物質についても同様の実験を進める予定である。

今年度の研究概要

 初年度には、処理技術の実証として、2つのリアクター(実験系および対照系)を並列で運転し、人工排水を供給した連続運転により性能比較を行う。模擬排水は、易分解性の有機物を主成分として、硫化物もしくはアンモニアなどを加える。本実験の結果から、既存の技術に対する本技術の優位性を明らかにする。さらに本研究期間内においては、本リアクターの処理性能に及ぼす各因子の影響を把握し、実際のリアクターを設計する際の設計指針となりうるデータの取得を進める予定である。

課題代表者

小野寺 崇

  • 地域環境保全領域
    環境管理技術研究室
  • 主任研究員
  • 博士(工学)
  • 土木工学
portrait