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閉鎖性内湾における生態系網の観測・実験による評価(令和 6年度)
Evaluation of trophic networks in enclosed coastal ecosystems by field surveys and laboratory experiments

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 戦略的研究開発領域(I)
研究課題コード
2428BA004
開始/終了年度
2024~2028年
キーワード(日本語)
食物網,栄養段階,生態系動態,食性,生活史
キーワード(英語)
Food web,Trophic levels,Ecosystem dynamics,Feeding habit,Life history

研究概要

本研究は、数理モデルならびに観測・実験の両見地を統合することで、水質-低次生物-高次生物に渡る生態系網を構成する生物機能群の生産・消費・捕食-被食の各過程を数理で表現し、各素過程がもたらす生態系応答の予測・評価に資する低次-高次生態系網モデルを開発することを目的とする。野外調査と文献調査により、閉鎖性内湾に生息する主要生物の生理生態・食性・外部環境特性を評価するとともに、低次-高次栄養段階の生物群集の豊度と種組成の長期変化を明らかにする。また、生態系を構成する生物の食性解析を通して被食-捕食関係を調査し、湾内生態系の食物網を推定する。さらに、主要生物の生活史特性及び個体群動態を野外調査で解明し、湾内の環境因子の経年変化を解析して個体群動態に寄与する生活史段階と影響因子を推定し、実験による検証を実施する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

閉鎖性内湾の高次生態系生物の食性を野外調査(東京湾)と文献調査により解明する。異なる資源状態における食性差異も調査する。植物・動物プランクトン、マクロベントス、魚介類の栄養段階を安定同位体比分析で推定する。食性解析結果とあわせて食物網構造を解明し、生態系の鍵種も明らかにする。
公表データを用いて水温、溶存酸素、栄養塩類、底質粒度組成等の長期環境変動を調べ、生物相の長期変化との関係を多変量解析で推定する。鍵種の数種について室内実験により環境因子が生活史特性に及ぼす影響を明らかにし、摂餌条件の影響評価にも挑戦する。
得られた生態学的知見をサブテーマ1「低次-高次生態系網の数理モデル化」に提供する。提供の際は文献調査により東京湾と大阪湾の生態系特性の類似・相違点を明らかにし、大阪湾生態系網モデルの入力検証データとしての活用にも資する。

今年度の研究概要

東京湾と大阪湾の低次〜高次栄養段階の生物調査結果を収集し、食物網解明のため利用可能な知見、並びに不足している知見を整理する。東京湾20 定点調査及び主要種個体群調査(以下、「東京湾調査」と記す)を実施し、プランクトン(植物・動物)、マクロベントス及び魚介類の豊度・種組成を解析し、生態系を構成する鍵種を示す。文献調査及び東京湾調査で得られた結果をサブテーマ1「低次-高次生態系網の数理モデル化」に提供し、数理モデル構築の初期段階から貢献する。

外部との連携

公立大学法人大阪 大阪公立大学(テーマ4・サブテーマ1代表)

備考

環境研究総合推進費・戦略的研究開発領域(I)
S23 沿岸環境・生態系の統合的管理のためのデジタルツインプラットフォームの構築
テーマ4 自然共生サイト・内湾における低次-高次生態系網モデルの開発
サブテーマ3

関連する研究課題

課題代表者

児玉 圭太

  • 環境リスク・健康領域
    生態系影響評価研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(農学)
  • 水産学,生物学
portrait

担当者