- 研究課題コード
- 2225CD004
- 開始/終了年度
- 2022~2025年
- キーワード(日本語)
- ナノプラスチック粒子,野焼き,ハノイ
- キーワード(英語)
- plastic-containing nano-particles,biomass burning,Hanoi
研究概要
プラスチック含有微小・ナノ粒子におけるプラスチックの存在形態や、含有化学成分に関する研究はほとんど進んでいない。本研究ではベトナムハノイにおける大気浮遊粒子状物質(PM)を人体影響の異なる大きさ(ナノ、PM2.5, PM2.5-10)に分けて屋外で粒径別に捕集する。捕集試料の主要成分分析や画像解析、さらには有害成分の指標である多環芳香族炭化水素に加え、バイオマスやプラスチックに特有な成分を有機マーカーとして特定することで、PM生成への発生源や気象影響の把握だけでなく、大気中の微小・ナノプラスチック粒子の実態解明を目指したバイオマスとプラスチックの混合燃焼影響の評価を行う。さらには雨水への移行を評価し、水圏のプラスチック汚染にこれらの大気中の粒子が与える影響を定量的に評価する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
令和4年度はハノイの海外共同研究者を4日程度訪問し、研究計画の調整、野焼き観測と雨水採取に適した観測地点の選定を行う。また、試験的に稲わらとプラスチックを混合燃焼し、排気粒子試料を作成し、本研究で用いる分析手法の定量限界の確認など準備を進める。令和5年度は複数のサンプラーを野焼きの影響を受けるハノイ郊外に設置し、プラスチック含有微小・ナノ粒子の現地観測を開始する。令和5年度10月以降は、得られたPM2.5、ナノ粒子、雨水に対して、高速溶媒抽出と熱分解GC-MSを用いたプラスチックモノマーの直接分析等の化学分析や、電子顕微鏡観察による粒子形状、単一粒子に対する顕微ラマン分光分析を実施する。これら分析結果を包括的に議論することで、プラスチック混合野焼きがPM組成に与える影響を評価する。令和7年度後半では本研究の成果を広く公開すべく、東南アジア地域の研究拠点形成に向けた国際シンポジウムをハノイで開催する。
今年度の研究概要
引き続き、ベトナムハノイでオープンバーニングで排出されるプラスチックを含むゴミ焼却排気をターゲットとした大気サンプリングを行い、粒子状物質の試料を得る。また、実験室内で試験的に稲わらとプラスチックを混合燃焼試料を作成する。それらの試料について、電子顕微鏡で観察し、粒子形態や元素情報を得る。
外部との連携
研究代表者:関口和彦 (埼玉大学・大学院理工学研究科・教授)
研究分担者:玄大雄(東北大学大学院 ・助教)
研究分担者:熊谷貴美代 (群馬県衛生環境研究所・研究員)
研究分担者:Nghiem Trung Dung(Hanoi University of Science and Technology・Professer)
研究分担者:Nguyen Thi Thu Thuy(Hanoi University of Science and Technology・Researcher)
- 関連する研究課題
- : 環境リスク・健康分野(ア先見的・先端的な基礎研究)
課題代表者
藤谷 雄二
- 環境リスク・健康領域
統合化健康リスク研究室 - 主幹研究員
- 博士(工学)
- 工学