- 研究課題コード
- 2225CD002
- 開始/終了年度
- 2022~2025年
- キーワード(日本語)
- エアロゾル,データ同化,ライダー
- キーワード(英語)
- aerosol,data assimiliation,lidar
研究概要
人間活動や自然現象によって大気中に放出されるエアロゾル(大気浮遊粒子状物質)は,大気環境の悪化のみならず,気候変動や健康被害など多岐にわたって影響を与えている.エアロゾルは様々な組成(種類)と粒径の粒子から構成される.エアロゾルによる影響評価を行うためには,これら組成や粒径,高度分布といった多元にわたる分布を正確に把握する必要があるが現状は不十分であり,影響評価に含まれる不確実性の要因になっている.本申請では,最新の衛星計測やライダ観測から得られるエアロゾルの濃度,組成,粒径および高度分布の観測情報を一度に取り込む多元要素同時同化システムの開発を行う.これにより,観測事実と整合性のとれた高精度のエアロゾル多次元分布(空間+時間+組成+粒径)を再現し,エアロゾル影響評価の精度向上を目指す.
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
本分担研究では、データ同化に必要となる観測・解析データセットの構築を行う。観測データは、国立環境研究所で推進している地上ライダーネットワークAD-NetとNASAのCALIPSO衛星搭載ライダーCALIOPおよび2023年度打ち上げ予定のJAXA/ESAのEarthARE衛星搭載ライダーATLIDを対象とする。国立環境研究所で独自開発された解析アルゴリズムを用いて、エアロゾル光学特性を抽出し、それをデータ同化しやすいデータセットにまとめあげ、本研究課題のデータ同化チームへ提供する。また、一部観測データはデータ同化されたプロダクトの検証データとしても利用することも検討しており、検証作業も合わせて実施する方針である。全4年間(H22-H25)の研究期間において、地上観測の継続およびデータ蓄積、そして衛星データの蓄積を定常的に行う。また、開発したアルゴリズムを用いたエアロゾル特性の抽出についてもデータの取得状況に応じて定常的に実施する。データセットの構築については、データ同化チームとの具体的な検討を経て構築し、初年度から蓄積を開始する。
今年度の研究概要
AD-Net観測の継続およびデータ蓄積、およびCALIPSO衛星データの蓄積を定常的に行う。開発したアルゴリズムを用いたエアロゾル特性の抽出を行い、解析データの蓄積を行う。データ同化チームと協議し、データ同化用のエアロゾル光学特性データセットを構築する。
外部との連携
本研究課題は、九州大学応用力学研究所、気象研究所、JAXAとの共同研究となる