- 研究課題コード
- 2327CD003
- 開始/終了年度
- 2023~2027年
- キーワード(日本語)
- 揮発性有機化合物
- キーワード(英語)
- volatile organic compound
研究概要
植物から大気中に放出される揮発性有機化合物BVOCは,気候変動や生物間相互作用を介して地球生態系に多大な影響を及ぼすことが知られているが,それらの放出特性の理解は乏しい.そこで本研究では,多成分のBVOCの濃度について,長期かつ高時空間モニタリングデータを世界に先駆けて取得する.これを実現するために,研究代表者と分担者が独自に開発してきた計測法を改良・協働し,多成分BVOCを「その場で・一斉に・リアルタイムに・異性体を区別しながら・定量計測」するための計測系を確立する.さらに本手法を領域内の他班と共有することで,BVOCの放出特性と遺伝子発現の関係や生態系でのBVOCの役割を解明する.
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
様々な樹木によるBVOC放出速度の規定要因を明らかにするため、多成分のBVOCに対応したガスクロマトグラフを核とする測定システムを構築する。初年度はBVOCのオフライン及びオンライン分析のためのサンプリングシステムと測定システムの開発を行う。2年目は主にグロースチャンバーとオンラインBVOC測定システムを組み合わせて放出速度の測定を行い、BVOC放出速度の推定モデルのための各種パラメーターを取得する。3年目以降は国内外の森林サイトにおけるBVOCのオフライン/オンライン測定を実施し、BVOC放出速度の種依存性やフェノロジーとの関係を明らかにする。
今年度の研究概要
今年度はBVOCのサンプリングシステム及び測定システムを構築する。サンプリングシステムとして、加熱触媒によるVOCスクラバーと高精度なマスフローコントローラーなどを組み合わせたダイナミックエンクロージャーシステムを開発する。
外部との連携
横浜市立大
- 関連する研究課題
課題代表者
斉藤 拓也
- 地球システム領域
物質循環観測研究室 - 上級主幹研究員
- 博士(地球環境科学)
- 化学