- 研究課題コード
- 2023TD002
- 開始/終了年度
- 2020~2023年
- キーワード(日本語)
- 気候変動,脱炭素化,ELSI
- キーワード(英語)
- Climate Change,Decarbonization,ELSI
研究概要
気候変動問題に対応するため、国際社会はパリ協定に合意し、今世紀半ばから後半に人間活動による二酸化炭素排出を実質ゼロにする「脱炭素化」を目指している。
本プロジェクトでは、日本の研究開発戦略・気候変動対応戦略において開発・普及が推進されている個々の脱炭素化技術(新興技術および既存技術)ならびにその開発・普及戦略全体を対象として、ELSIを含む多面的な観点からの評価枠組を構築し、提案することを目標とする。
対象技術についての幅広い関係者の参加を含むテクノロジーアセスメントを設計・実施するとともに、日本における過去の気候変動対応戦略の政策過程を定性的・定量的に分析する。これらの結果に基づき、技術的・経済的観点を主とする従来型の評価をELSIを含む観点から見直した「脱炭素化技術の多面的な評価枠組」を構築し、政策議論の現場に提案する。
研究の性格
- 主たるもの:政策研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
国環研が主に実施する実施項目1は、プロジェクトの根幹を構成する実施項目として、実施項目2のテクノロジーアセスメント(TA)および3の政策過程分析の結果を参照しつつ、日本における脱炭素化技術およびその開発・普及戦略の多面的な評価枠組を開発し、提案する。
実施手順としては、(1) まず対象とする脱炭素化技術の範囲およびその包括的な提示方法(シナリオ)について検討し、TA第1ラウンドに向けてこれを確定する。(2) TA第1ラウンドを経た後、その結果と政策過程分析の初期結果に基づいて、評価枠組の開発を行う。(3) また、TA第2ラウンドに向けて技術の範囲と提示方法を再検討する。(4) TA第2ラウンドを経た後、その結果と政策過程分析の発展的な結果に基づいて評価枠組の改良を行う。(5) 最後に、評価枠組の提案方法を検討し、提案を行う。なお、(2)の後と(5)の時点で一般公開シンポジウムもしくはオンラインフォーラムを開催し、成果の普及を図るとともに社会の幅広い層からのフィードバックを得る。
今年度の研究概要
ELSIを含む技術評価枠組について概念的な基礎付けを行うために、さらなる文献レビューを行い、論文を執筆する。これまでの成果をまとめ、倫理、法などの専門家や、エネルギー政策の専門家と意見交換を行う。さらにオンラインフォーラムを実施し、幅広い参加者と意見交換を行う。
外部との連携
共同研究機関:京都大学、東京大学、北海道大学、大阪大学、明治大学、青山学院大学、一橋大学