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PM2.5成分の短期変動による健康影響を定量化する全国規模の環境疫学研究(令和 5年度)
Nationwide environmental epidemiological study quantified the health effects of short-term exposure to PM2.5 components

予算区分
5MF-2202
研究課題コード
2224BA003
開始/終了年度
2022~2024年
キーワード(日本語)
PM2.5,質量濃度,化学組成,疫学調査
キーワード(英語)
PM2.5,mass,chemical composition,epidemiological study

研究概要

2009年のPM2.5環境基準設定以降、わが国でもPM2.5質量濃度の短期曝露による健康リスク上昇が報告され、国際的な知見と矛盾することのない結果が得られてきた。しかしながら、PM2.5には地域や発生源による成分の違いがあり、健康影響をもたらすPM2.5の特定成分については国際的にも解明されていない。特に、日本においてPM2.5成分の健康影響に係る知見は非常に少ない。
本研究では、PM2.5の環境基準の見直しや総合的な対策等に係る検討に活用できるような日本における最新の科学的知見を提供すべく、‘死亡’データや疾患‘発症’の指標となる健康アウトカムデータを利用し、東京を含む複数地域でPM2.5成分の健康影響を定量化する。この目的を達成するため、医学と大気科学の研究者によるグループ全体の研究力を結集して、健康と大気環境(PM2.5)を結びつける疫学的知見の発信に傾注する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

本研究は、環境省による全国10地域におけるPM2.5成分自動測定データ(ACSA-14)などを収集して大気環境データを構築した上で、
1) 全国で統一された方法で網羅的に情報収集が行われている健康アウトカムである死亡データや救急データを用いて、短期的なPM2.5成分濃度の変動との関連性を定量化する。
2) 循環器疾患(心臓と脳)の登録データを用いて、PM2.5の特定成分が疾患発症の誘因となり得るのか検証する。
3) 定量化した質量濃度と健康アウトカムとの関連の強さが地域間で異なるのか確認し、明らかに異なるようであればそれが成分濃度の違いによって生じているのか検討する。

今年度の研究概要

最新の大気環境データを収集し整理を進めるとともに、東京都でのACSA-14による観測を続ける。また、PMF法でのPM2.5濃度を発生源別に推定する試みを継続し、疫学グループによる健康影響評価への応用を目指す。
各地域におけるPM2.5と健康アウトカムとの関連性の推定値を確認し、明らかに異なるようであればそれが成分濃度の違いで説明できるか考察する。

外部との連携

東邦大学(研究代表者 道川武紘)、九州大学、熊本大学、北海道大学

関連する研究課題

課題代表者

高見 昭憲

  • 地域環境保全領域
  • 領域長
  • 博士(D.Phil)
  • 化学,化学工学
portrait

担当者