- 研究課題コード
- 2022CD023
- 開始/終了年度
- 2020~2022年
- キーワード(日本語)
- 焼却飛灰,非晶質シリカ,有害金属,二次鉱物
- キーワード(英語)
- Fly ash,Amorphous silica,Toxic metals,Secondary minerals
研究概要
有害重金属を含有する廃棄物焼却飛灰を埋立処分するため、有機系キレート剤を用いた重金属の不溶化が行われている。しかし、有機汚濁源であるキレート剤は埋立地の浸出水処理を長期化させるだけでなく、キレート剤分解に伴う重金属の再溶出が懸念されている。本研究は、焼却飛灰の不安定な鉱物群を、無機処理によって安定かつ重金属を不溶化する鉱物へ転化し、重金属の鉱物学的不溶化と焼却飛灰の早期安定化を同時に実現する処理方法を提案する。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
有害重金属を含有する廃棄物焼却飛灰を埋立処分するため、有機系キレート剤を用いた重金属の不溶化が行われている。しかし、有機汚濁源であるキレート剤は埋立地の浸出水処理を長期化させるだけでなく、キレート剤分解に伴う重金属の再溶出が懸念されている。本研究は、焼却飛灰の不安定な鉱物群を、無機処理によって安定かつ重金属を不溶化するケイ酸カルシウム鉱物へ転化し、重金属の鉱物学的不溶化と焼却飛灰の早期安定化を同時に実現する処理方法を提案する。ケイ酸カルシウム鉱物の最適な生成条件(非晶質シリカの添加量、養生温度・期間など)を明らかにし、重金属の鉱物学的不溶化効果を定量的に示す。焼却飛灰処理物は安定性評価試験(pH依存性試験、風化加速試験、カラム試験など)に供し、鉱物学的不溶化と焼却飛灰の長期的確実な安定性を示す。本成果は、埋立地安定化を促進し、重金属を封じ込めることで問題の解決を狙い、「持続可能な社会の形成」へ貢献する。
今年度の研究概要
もみ殻灰の反応性は焼成温度が低いほど高かった。しかし、鉛の不溶化は焼成温度が高いほど効果的であり、もみ殻灰の反応性以外の要因が鉛の不溶化に寄与していると考えられる。そのため、もみ殻灰と一般廃棄物焼却飛灰中に含有する水酸化カルシウムとが反応して生成するケイ酸カルシウム水和物の物性について特性評価を行っていく予定である。