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魚類由来有機セレン化合物の体内動態研究(令和 4年度)
Pharmacokinetic studies of organic selenium compounds derived from fish.

研究課題コード
2223AN004
開始/終了年度
2022~2023年
キーワード(日本語)
有機セレン化合物,セレノネイン,化学形態別分析,体内動態
キーワード(英語)
Organic selenium compounds,Selenoneine,Speciation,pharmacokinetics

研究概要

エコチル調査において、約10万人の妊婦のうち1名の全血中セレン濃度が他の参加者と比較し著しく高かった。聞き取り調査から、セレノネインを多く含むマグロの血合筋を高頻度で摂取していることが分かったが、セレノネインのヒトにおける体内動態や代謝に関してはほとんど明らかになっていない。そこで本研究では、対象者にセレノネインが高濃度含まれる魚類を一定量(食事摂取基準のセレン耐容上限、メチル水銀の耐容週間摂取量の範囲内)摂取してもらい、セレノネインの体内動態について調べ、その結果をもとにエコチル調査のセレン高値参加者に対し、血合筋摂取を一定期間制限する介入研究を行い、健康評価も含めたセレノネインおよびその他金属類元素の体内動態を明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

研究1:倫理審査承認済みであることから、2021年度中に予備試験として1名の介入研究を行う。その結果を元に適宜研究デザインを修正し2022年度早々に研究1の対象者を所内から募集し研究を開始する。
研究2:研究1の結果を元に適宜研究デザインを修正し、2022年度に倫理審査をうけ、2023年度早々に研究を開始する。

今年度の研究概要

研究1:研究対象者に、セレノネインが高濃度含まれる魚類を一定量(食事摂取基準のセレン耐容上限、メチル水銀の耐容週間摂取量の範囲内)7日間摂取してもらい、セレノネインの体内動態情報を得る介入研究を実施する。対象者には開始前1ヶ月の食事に関する質問票に回答してもらい、食生活の傾向を把握する。介入期間中は可能な限りセレノネインを高濃度に含む魚類の摂取を控えた食事を摂ってもらい、間食を含む毎回の飲食の写真とその内容の記録を依頼して、魚類試料以外からのセレンの摂取概算量を把握する。観察期間(血合筋摂取終了後から血液中セレン濃度が摂取前と同程度になるまでの期間)中は魚類を摂取した際の記録(写真と内容)を依頼する。試験開始前日と試験期間内の随時尿(24時間随時尿)あるいは早朝尿、試験期間中の複数回の血液を採取し、セレノネインの体内動態と代謝に関するデータを収集する。

研究2:研究1の結果をもとに研究2の研究計画をたてる。

外部との連携

水産大学校

関連する研究課題

課題代表者

小林 弥生

  • 環境リスク・健康領域
    曝露動態研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(薬学)
  • 薬学,化学
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