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大気中で起こる界面反応の本質的理解に向けた実験的研究(令和 4年度)
Experimental study for the understanding of reaction mechanisms occuring at gas/liquid interfaces in the atmosphere

研究課題コード
1922CD001
開始/終了年度
2019~2022年
キーワード(日本語)
エアロゾル,PM2.5,気候変動,健康影響,ラジカル,イオン,反応,界面,表面,不均一
キーワード(英語)
aerosol,PM2.5,climate change,health effect,radical,ion,reaction,interface,surface,heterogeneous

研究概要

 大気エアロゾルの表面積をグローバルで換算すると地表の総表面積の100倍以上にもなると言われており、その膨大かつ特殊な反応場で起こる反応メカニズムの分子レベルでの理解は重要である。しかし、実際に大気エアロゾルが関与する反応には界面反応とバルク(液中)反応が混在しており、それぞれの寄与を定量的に評価することができなかった。また界面で起こる反応とバルク中で起こる反応の違いが何に起因しているのかという物理化学的な起源に関しても、よくわかっていない。
 本提案研究では、気液界面反応測定手法に加えて、瞬時に起こる液相反応をその場測定できる新規手法を開発し、気液界面反応vs液相反応を直接比較できる実験システムを構築する。それにより、気液界面で起こる反応の特殊性の起源の解明を目指す。本提案研究が完成すると、大気における界面反応とバルク反応をどのように定量的に区別して扱えばよいかが明らかになり、大気モデルへの取り込みなど、多くの成果が見込まれる。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

2019年度はマイクロジェット交差衝突法の開発、および実験条件の最適化を行う。
2020年度にはフェントン反応系で液相・気液界面で起こる反応のメカニズムの違いを研究する。
2021-2022年度はテルペンのオゾン酸化反応系で液相・気液界面で起こる反応のメカニズムの違いを研究する。テルペン類にはカリオフィレン、ピネン、d-リモネン、イソプレン、リナロールなどを用いる。また、得られた結果を総括し、大気モデルへの導入を目指し、大気モデルを取り扱う研究者との打ち合わせを行う。

今年度の研究概要

本年度はマイクロジェット交差衝突法を用いて、雲の微小水滴中で起こる二価の鉄イオンとオゾンの反応(Fenton-like反応)機構について研究を行う。DMSOなどのOHラジカルの捕捉剤を用いた実験結果と比較し、反応機構を明らかにする。

課題代表者

江波 進一