- 研究課題コード
- 2222TH001
- 開始/終了年度
- 2022~2022年
- キーワード(日本語)
- 天然ゴム,温室効果ガス,廃水処理
- キーワード(英語)
- natural rubber,greenhouse gas,wastewater treatment technology
研究概要
天然ゴムは化石資源由来の合成ゴムに対して低炭素であるというアドバンテージを持つ。しかしながら天然ゴムの製造・加工工程からは高濃度の有機物及び窒素分を含む廃水が大量に発生し、水質汚染や温室効果ガス(GHGs)の発生要因となっている。本研究では、有機物除去とメタン回収及び窒素除去を高いレベルで実現し、かつ、温室効果ガスの排出をコントロールできる高度資源回収型廃水処理技術の開発を行う。また、処理水の有効利用 (農業への利用など) についても検討する。加えて、廃水処理システムや、天然ゴム製造プロセスにおける温室効果ガスの発生状況の把握および適切な廃水処理システムの導入によるGHGs削減効果の試算を行う。最終的には、天然ゴムの増産により現状の嫌気池(ラグーン)処理で放出されるメタン等の温室効果ガスの増加や水質汚濁物質汚染の拡大等の問題を解決する先進廃水処理技術を構築する。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
2022〜2023年度は、タンパク質フリー天然ゴムの生産工程から排出される廃水の組成や生分解性評価を行い、処理システムの最適化に資する情報を収集する。2024〜2025年度は、ラボ試験による廃水処理技術の最適化を行うと共に、処理に伴うエネルギー消費や、GHGsの排出量に係わる情報を収集する。2025〜2026年度は、パイロット規模試験を通じて提案する廃水処理技術の性能を実証すると共にタンパク質フリー天然ゴムの製造工程と廃水処理までのプロセス全体から排出される温室効果ガス排出量を評価する。
今年度の研究概要
天然ゴムの製造工程から排出される廃水の組成や濃度規制、それらの主要な物質の処理や製造に関わる基礎情報の収集(温室効果係数、分解性など)を行う。またプランテーションの環境影響に関わる文献調査を行う。
外部との連携
長岡技術科学大学、ハノイ工科大学(ベトナム)、天然ゴム関連企業
課題代表者
珠坪 一晃
- 地域環境保全領域
- 副領域長
- 博士(工学) エネルギー・環境工学
- 工学,土木工学,生物学