- 予算区分
- 2-2009(3)
- 研究課題コード
- 2022BA009
- 開始/終了年度
- 2020~2022年
- キーワード(日本語)
- 気候変動適応,積雪寒冷地,農業分野影響,影響連鎖,適応経路
- キーワード(英語)
- Climate Change Adaptation,Cold, Snowy Regions,Effect on Aguricultural Sector,Impact Chain,Adaptation Pathways
研究概要
本課題では、北海道の気候や地理に特徴的な降雪・積雪に注目し、3サブテーマの緊密な連携により、気候変動影響・適応を調査・研究する。?気候・気象因子として「雪」を捉え直し、気候変動予測をダウンスケールする。?雪の変化とその影響に関する情報を幅広く収集し、多分野におけるインパクトチェーンを構築する。代表的な経路について関連性を分析し、雪に関連した代表指標の開発を試みる。それをトリガーとした適応策の順応的管理のためのフレームワークを検討する。?この方法論に基づき、特に農業分野における、現場レベルでの影響評価と適応策について市町村レベル以下の空間スケールでの研究を行う。?以上を課題遂行中盤より、北海道内の市町村、団体・企業、住民に提供し、地域適応計画立案等、気候変動適応の推進に資する参与型での支援に関する研究を行う。
サブテーマ1は北海道立総合研究機構が担当し、??を担当する。具体的には1)雪の変化に関する影響評価研究成果の収集、雪を中心としたインパクトチェーンの作成を行う。2)影響連鎖、影響要素間の関連性の分析、対策実施の判断等に活用可能な雪に関する指標の開発、気候変動影響への適応の道筋を示すためのフレームワークの検討を行う。3)サブテーマ3と共同で、気候変動適応の推進を支援する研究を行う。
サブテーマ2は北海道大学他が担当し、??を担当する。具体的には1)農業気象学的に見た道内気候のより詳細な把握と予測を、他サブテーマおよび研究協力者と行う。2)これらを元に寒冷温帯特有の積雪等に関わる気候学的指標(積雪の質、消雪日など)として定量化する。3)これらが農業に及ぼす影響をモデル化し,気候変動の農業影響および適応方針を提示する。特に気候変動の悪影響だけでなく、気候温暖化による好影響についても調査研究を行う。
サブテーマ3は国立環境研究所が担当し、主に??を担当する。北海道における気候リスク評価および適応策ローカライゼーションに関する理論的研究を行う。北海道における地域社会の将来予測と、それがもたらす気候変動の影響予測を行う。実施二年度目に北海道における社会制度や構造に合ったAdaptation Pathwaysに関した研究を行う。国立環境研究所がこれまで適応策立案を支援してきた経験を活かし、地域気候変動適応センター等と連携し、道内各セクターの適応策を支援する研究を実施する。本課題の結果、特に?は、北海道における気候変動適応の計画や実施に向けた取り組みに大きく貢献し、同様の気候帯における国内外の適応にも資すると期待される。また本課題は、グローバルレベルで研究開発が行われている、順応的適応の一つであるAdaptation Pathwaysを、定量的に扱うフレームワークについて、地域での適用を目指し、北海道で実地に検証することにより、国内だけでなくグローバルな適応策立案方法論に貢献することができる。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
北海道における高解像度の地域社会他の将来予測と、それがもたらす気候変動の影響予測を行う。また多分野のインパクトチェーンを北海道向けにローカライゼーションする。影響連鎖を可視化するGIS システムプロトタイプを開発する。連携が想定されるセクターに対して意見を求め、課題を抽出する。(令和2年度)
北海道における社会制度や構造を配慮し、適応経路のローカリゼーションを行う。気候変動に対する雪に関連した代表的な指標に関する知見を元に、グローバルな適応経路を参考に2-3 影響分野において北海道版を開発する。ローカライズしたインパクトチェーンと該当年度に開発された適応経路をGIS システムに搭載し、連携セクターに可視化した結果を提示し、地域適応に関するワークショップなどを開催する。北海道における社会制度や構造に関して得られた知見をフィードバックし実用性を高める。(令和3年度)
北海道におけるインパクトチェーンと適応経路を配慮した、気候変動の進行に従った気候リスクのタイムラインを試行的に推定する。ワークショップなどにおいてこれら気候リスクを可視化するGIS システムを開発する。サブテーマ1,2、また他の適応策研究、社会経済システム将来予測研究における成果を踏まえ、気候リスク等シミュレーションを更新する。また連携セクターとの協働を更に進め、今後の必要な課題について整理する。
今年度の研究概要
北海道における社会制度や構造を配慮し、適応経路のローカリゼーションを行う。気候変動に対する雪に関連した代表的な指標に関する知見を元に、グローバルな適応経路を参考に2-3影響分野において北海道版を開発する。ローカライズしたインパクトチェーンと該当年度に開発された適応経路をGISシステムに搭載し、連携セクターに可視化した結果を提示し、地域適応に関するワークショップなどを開催する。北海道における社会制度や構造に関して得られた知見をフィードバックし実用性を高める。
外部との連携
北海道立総合研究機構、北海道大学、農業・食品産業技術総合研究機構、帯広畜産大学
- 関連する研究課題
- 25989 : PJ1_地域協働による持続可能社会実装研究
- 26003 : PJ3_科学的予測に基づく適応戦略の策定および適応実践に関する研究
- 25582 : 気候変動適応分野(イ政策対応研究)