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人工多能性幹細胞とオルガノイド作成技術を組み合わせた鳥類の新規感染症評価基盤の開発(令和 3年度)
Development of evaluation system for infection disease, by using of avian iPSCs

研究課題コード
2122AN006
開始/終了年度
2021~2022年
キーワード(日本語)
幹細胞,感染症,神経細胞
キーワード(英語)
stem cell,infection disease,neuronal cell

研究概要

高病原性鳥インフルエンザや気候変動による新興感染症により、我が国の固有種や絶滅危惧種を含む多様な野鳥の大量死が危惧されている。この様な感染症による大量死のリスクを予測するためには、感染感受性の解明が必要である。特に、これまでの野鳥における調査では、高病原性鳥インフルエンザなどの感染症感染後、神経系における炎症により死亡する事例が報告されており、神経系における炎症の引き起こしやすさが明らかになれば、大量死のリスクをより正確に予測できる可能性がある。この様な炎症の引き起こしやすさの予測には、個体を用いた実験ができれば一番であるが、野鳥において個体を用いた感染実験は事実上不可能である。そこで本研究では、人工多能性幹細胞(iPS細胞)をもとに、神経オルガノイドを作成して、鳥類における感染症の神経系への評価基盤を構築を目指す。本提案では、将来的に野鳥への展開を目指すが、その前段階としてニワトリをモデルに鳥類における評価基盤の作成を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

本研究では、鳥類モデルのニワトリiPS細胞から神経オルガノイド(組織様構造体)作成方法を開発し、神経感染症評価系を開発する。具体的には、分化能力が高いニワトリiPS細胞の樹立、神経オルガノイドへの分化方法の開発、神経オルガノイドへの性質評価の三段階で実施する。

今年度の研究概要

既に申請者が開発した鳥類のiPS細胞の樹立方法をさらに改良して、分化能力が高いニワトリのiPS細胞の樹立を試みる。その際に、初期化に使用する遺伝子の改良や低分子阻害剤の組み合わせによる体細胞の初期化方法の改良を試みる。さらに、同iPS細胞を用いて、ヒト研究において分子シグナル制御により開発された神経オルガノイドの作出法をもとに、鳥類の神経オルガノイド作出の条件を探索する。

課題代表者

片山 雅史

  • 生物多様性領域
    生物多様性資源保全研究推進室
  • 研究員
  • 博士(農学)
  • 農学,生物工学,生化学
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