ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

生合成機構から探る熱帯植物による塩化メチル大量放出の要因(令和 3年度)
Methyl chloride emissions from tropical plants

研究課題コード
1919CD003
開始/終了年度
2019~2021年
キーワード(日本語)
塩化メチル,オゾン層破壊物質
キーワード(英語)
methyl chloride,ozone depleting substances

研究概要

熱帯植物は、主要な成層圏オゾン破壊物質である塩化メチルを大気へと放出する最大の発生源として働いている。しかし、なぜ熱帯の一部の植物からの放出量が際立って大きいのかは明らかにされていない。本研究では塩化メチルの生合成過程に関わるメチル基転移酵素の酵素活性量と塩化物イオンの利用可能性に着目し、これらのパラメーターと塩化メチル放出量の関係を明らかにすることで、種間差の駆動要因を特定する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

本研究は、フタバガキ科などの熱帯樹木に見られる極めて大きな塩化メチル放出量の種間差を、放出量と生合成過程のパラメーター(酵素活性量、塩化物イオンの利用可能性)との関係から解明する。

今年度の研究概要

最終年度となる今年度は、まず酵素活性及び酵素反応に関連する成分の測定系をフタバガキについて確立すると共に、フタバガキ科の個葉を対象にしたダイナミックエンクロージャーとGC/MSを組み合わせた塩化メチル放出量測定システムを確立する。こうした手法を用いてフタバガキ科の植物葉について酵素活性量や基質親和性、酵素反応に関連する成分の濃度を測定し、それらと塩化メチル放出量との関係を個葉レベルで明らかにする。なお、パンデミックに伴う海外渡航制限のため、フタバガキ科植物葉を用いた実験は主に国内の温室で行う。

外部との連携

横浜国立大学、マレーシア森林研究所

課題代表者

斉藤 拓也

  • 地球システム領域
  • 主幹研究員
  • 博士(地球環境科学)
  • 化学
portrait