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多様な環境・経済・社会問題のシナジー・トレードオフを考慮した意思決定手法の開発(令和 3年度)
Development of a method for decision-making considering synergies and trade-offs among multiple environmental and socioeconomic issues

研究課題コード
2121CD002
開始/終了年度
2021~2021年
キーワード(日本語)
意思決定,機械学習,アルゴリズム,トレードオフ,シナジー
キーワード(英語)
decision-making,machine learning,algorithm,trade-off,synergy

研究概要

多様な主体によるSDGs実現に向けた取り組みが加速する一方、学術的観点からは、目標間・指標間の相互作用に関する知見の不足が指摘され、相互作用の軽視による非効率のために目標達成が遅れる可能性が指摘されている。本研究は、多様な環境・経済・社会問題のシナジー・トレードオフ関係を考慮した意思決定を支援するため、統計的アルゴリズムによって、意思決定者とシステムとが対話的に最適な目標値を特定する仕組みを開発し、SDGsのように分野横断的な目標の同時達成が求められる多くの理念実現に資する技術的手法の提案を目指すものである。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

研究は、多様な環境・経済・社会問題のシナジー・トレードオフ関係を考慮した意思決定を支援するため、統計的アルゴリズムによって、意思決定者とシステムとが対話的に最適な実施目標を特定する仕組みを開発し、SDGsのように分野横断的な目標の同時達成が求められる多くの理念実現に資する技術的手法を提案する。具体的には、複数の目的指標(TF :Target Feature)をバランスよく達成するために、複数のTFに寄与する共通の実施指標(CF:Contributing Feature)の実行水準を特定するための仕組みを開発する。研究の実施過程は主に、1)個々のTFをCFで説明するモデルを構築する個別モデルの構築と、2)意思決定者によるTFの許容範囲の検討と複数TFの評価とを対話的に繰り返し行うアルゴリズム(複数TF同時評価システム)の構築とに分かれる。2021年度は、コロナ禍の影響を考慮した電力需要予測モデルなど、2種類程度の個別モデルの構築を行う。2022年度は、個別モデルの改良、および、複数TF同時評価システムの開発を行う。2023年度は、個別モデルの改良と追加、および、複数TF同時評価システムの有用性について検討する。

今年度の研究概要

2021年度は、2種類程度の個別モデルを構築する。例えば、これまでに構築してきた時別電力需要予測モデルに、人流の変化などコロナ禍の影響を定量化できる新たな指標を変数として加え、コロナ禍の影響を考慮した精緻な電力需要予測モデルを、機械学習アルゴリズムを用いて構築する。このような電力需要予測モデルの構築過程においては、コロナ禍が電力需要に与えた影響の把握、テレワーク等の脱炭素への貢献程度の評価、脱炭素に資する働き方の検討、といった知見の獲得も期待される。得られた知見については、適宜、論文等にまとめ発表する。

課題代表者

蛭田 有希