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多環芳香族炭化水素類を含む粒子状物質が関与する新しい慢性咳嗽疾患に関する環境疫学的研究(令和 3年度)
Emidemiological studies for chronic cough and particulate matter containing PAHs. 

予算区分
5-1951
研究課題コード
1921BA008
開始/終了年度
2019~2021年
キーワード(日本語)
慢性咳嗽,粒子状物質,多環芳香族
キーワード(英語)
chronic cough,particulate matter,PAH

研究概要

わが国では自動車や工場から発生する多環芳香族炭化水素(PAH)類や粒子状物質(PM)に加えて、中国から石炭暖房由来のPAH類や自然由来の黄砂も越境輸送されて、PMの成分は場所と時期によって大きく異なる。一方、気管支喘息症には従来型のアトピー性である典型的な喘息と、非アトピー性の喘息に分けられることが最近知られるようになり、同時に咳喘息、アトピー性咳嗽や副鼻腔気管支症候群などが慢性咳嗽疾患として注目されるとともに、非アトピー性喘息とともにPMなどの大気汚染物質との関連が指摘されている。研究代表者らは、これまで金沢の病院疫学において非アトピー性喘息の症状増悪がPM濃度の上昇と相関することを明らかした。そこで本研究では、PM成分と新しい慢性咳嗽疾患との関係を明らかにするためにPM成分の物理化学観測と疫学調査とを組み合わせて、国内及び越境輸送されるPAH類と黄砂の動態を広域的に解析するとともに、新しい慢性咳嗽疾患を中心に小児および成人を対象に疫学研究を実施する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

金沢大学と国立環境研究所がそれぞれ長年にわたって越境輸送PM動態研究に実績を有する能登半島と福江島(非都市部)を越境輸送観測拠点と、この拠点に近い地元由来PAH類、PMもあり、金沢大学と国立福岡病院が呼吸器系疾患調査研究に実績を有する金沢市と福岡市(都市部)においてPMを同時継続捕集し、PAH類と黄砂に焦点を合わせた詳細な物理化学的分析を行い、小児および成人を対象に疫学研究を実施する。これらの疫学研究結果から、小児および成人における、これら越境輸送、地元由来PM成分と新しい慢性咳嗽疾患との因果関係を明らかにする。

今年度の研究概要

昨年度同様長崎県福江島と福岡市においてハイボリュームサンプラーによる大気粒子を捕集し、金沢大学でのPAH類の分析に試料を提供する。またエアロゾル化学成分自動測定機などによる観測を実施する。加えて、福岡で捕集されたイオン成分を分析し、大気汚染物質がどの地域から輸送されているかを解明する。

外部との連携

金沢大学、国立福岡病院、五島中央病院、長崎大学

課題代表者

高見 昭憲

  • 地域環境保全領域
  • 領域長
  • 博士(D.Phil)
  • 化学,化学工学
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担当者