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大気中過酸化ラジカルの化学ダイナミクスに関する研究(令和 3年度)
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研究課題コード
2123CD003
開始/終了年度
2021~2023年
キーワード(日本語)
有機硝酸,有機過酸化物,HOxサイクル,光化学オキシダント,有機ペルオキシラジカル
キーワード(英語)
organic nitrate,organic peroxide,HOx cycle,photochemical oxidant,organic peroxy radical

研究概要

光化学オゾン生成機構の完全理解を目指し、重要な中間体である過酸化ラジカルの動態に関する研究を進める。独自開発した過酸化ラジカル反応性測定装置を駆使し、過酸化ラジカルのNOxとの反応速度解析やエアロゾルへの取込み係数を測定できるシステムを確立し実大気において計測する。スモッグチャンバーによる光化学実験を通し、過酸化ラジカルから生成する有機硝酸類や過酸化物の評価を行いエアロゾルへの取り込み過程の検討をする。代表的なオキシダントの種々のエアロゾルへの取込み係数を実測する。これらの知見をもとに大気観測を実施し、化学モデルの向上を図り過酸化ラジカルの後続反応が与える光化学オゾン生成量への影響を推定するとともに、精密なオゾン生成量を推定できるアルゴリズムを提案する。過酸化ラジカル経由でエアロゾルに取込まれる化学物質のオゾン換算量を推定し、エアロゾルの変成に与える影響について評価する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

研究を進めるために3パートに分けて実験を遂行する。
1 過酸化ラジカル反応性測定(京都大学)
2 チャンバーによる光化学実験(京都大学・国立環境研究所・大阪府立大学)
3 実大気観測(京都大学・国立環境研究所・大阪府立大学)
本研究では、オキシダント生成の標準的な生成メカニズムに加えて、有機ペルオキシラジカルと二酸化窒素の反応によって生成する有機硝酸塩が有機ペルオキシラジカルのリザーバーとして働くとするメカニズムを仮定している。2.チャンバーによる光化学実験に関しては、国立環境研究所にあるスモッグチャンバーに模擬大気を導入して光化学反応を進行させ有機硝酸塩(ONT)や有機過酸化物(ROOH)を計測する。HOxサイクルが回転することでオゾンやアルデヒド類が生成する。ここで、これらの生成物とONTの関係性を調べる光反応が進行して定常状態に到達した後の有限時間に増加する2次生成物の間に予測される関係から、反応メカニズムの検証を進める。

今年度の研究概要

大阪府立大が開発したONTおよびROOHの測定装置を用いて、チャンバー実験で生成するONTおよびROOHの測定を行う。

外部との連携

梶井克純(京都大学、課題代表)、坂本陽介(京都大学)、河野七瀬(京都大学)、定永靖宗(大阪府立大学)

課題代表者

佐藤 圭

  • 地域環境保全領域
    広域大気研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(理学)
  • 化学
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