- 予算区分
- ZZ 個別名を記載 厚生労働行政推進調査事業費
- 研究課題コード
- 2022ZZ002
- 開始/終了年度
- 2020~2022年
- キーワード(日本語)
- コロナ,COVID-19,感染症,リスクコミュニケーション
- キーワード(英語)
- corona,COVID-19,infectious disease,risk communication
研究概要
本温帯地域においてインフルエンザが大きく流行した冬は、流行の小さな冬に比べ死亡者数が増える現象は古くより観察されており、インフルエンザを直接死因とする死亡の増加のみならず、呼吸器疾患や循環器疾患など様々な疾患による死亡が増加することが知られている。このようなインフルエンザ以外の死因も含め、ある人口集団における死者数に対するインフルエンザ流行のインパクトを把握する目的で超過死亡の概念が用いられてきた。1973年にWHOがインフルエンザ発生動向の監視や包括的健康影響評価を目的として超過死亡の概念を提唱して以降、世界的に広くその推定が行われてきた。我が国においても、インフルエンザ関連死亡者迅速把握事業等において1998年より超過死亡の推定が行われてきた。新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、米国CDCやヨーロッパ24か国が参加するEuroMOMOネットワークなどでは超過死亡推定法および推定結果を公表しており、我が国においても同様の対応が求められる。
研究では、既に公表済みの欧米諸国の超過死亡と我が国の超過死亡を比較することを考慮し、主にCDCおよびEuroMOMOの解析法を用いて超過死亡を推定する。特に気温とインフルエンザ流行を調整したモデルでは、Distributed lag non-linear model (DLNM)を用いてこれら因子の精緻な調整を可能とするモデルの開発を世界に先駆けて行う。
研究の性格
- 主たるもの:行政支援調査・研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
初年度は、人口動態調査死亡票速報を利用し、日本における新型コロナウイルス感染症による超過死亡を早期に推定する。毎月、調査月の速報が利用可能となり次第、当該月のデータ解析を行い超過死亡(全死亡)の推定を行う。2020年2月以降の人口動態調査概数データが利用可能になり次第、毎月の概数データをもとに死因を考慮した超過死亡推定の検討を行う。2年目は、引き続き速報を利用した超過死亡の早期推定と死因別解析を行う。また、死因を考慮した解析の妥当性、気温・インフルエンザ等の影響を考慮した超過死亡推定法の検討を行う。3年目は、人口動態調査死亡票を使用した、インフルエンザ等その他感染症の超過死亡推定に関する検討も行う。
今年度の研究概要
初年度は、人口動態調査死亡票速報を利用し、日本における新型コロナウイルス感染症による超過死亡を早期に推定する。毎月、調査月の速報が利用可能となり次第、当該月のデータ解析を行い超過死亡(全死亡)の推定を行う。2020年2月以降の人口動態調査概数データが利用可能になり次第、毎月の概数データをもとに死因を考慮した超過死亡推定の検討を行う。
外部との連携
東京大学・慶應義塾大学・聖路加国際大学・長崎大学・早稲田大学・東京工業大学・千葉大学・理化学研究所・株式会社ホクソエム・国立循環器病研究センター・国立感染症研究所との共同研究である。研究代表者は東京大学の橋爪真弘教授である。
課題代表者
林 岳彦
- 社会システム領域
経済・政策研究室 - 主幹研究員
- 理学博士
- 生物学