- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1820CD001
- 開始/終了年度
- 2018~2020年
- キーワード(日本語)
- モバイルセンサー,モニタリング,気候,人体生理,IoT
- キーワード(英語)
- mobile sensor,monitoring,climate,human physiology,IoT
研究概要
都市の街区スケールにおけるモバイルテクノロジーを応用したリアルタイムの大気・熱環境データの収集・空間分布表示システムを構築する。これは、屋外快適性を高めるための街区や建築のデザインを属地的に実現するための(高空間・高時間解像度)基礎データとして用いることができる。さらに屋外温熱環境に限らず、大気汚染濃度や騒音レベル、磁場など各種環境要素についても扱う対象に含めることにより、市民参加型の近隣環境モニタリングシステムとしての活用も期待できる。そのシステムを試行する段階で、モニタリングデータをリアルタイムで利用者がシェアするフィードバックシステムを構築することにより、環境そのものへの市民啓発、地方自治体における近隣環境政策への貢献も期待できる。また、収集されるビックデータを用いたローカル・リアルタイムでのリスク情報共有に関する社会実験や、都市街区デザインについての指針づくりにもつながる。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
体感温熱環境の面的把握手法の確立を目的として、モバイルセンサーを用いた気象要素と人体の生理的反応に関するポータブル型環境モニタリングを、東京都区部等をモデルケースとして実施する。また、得られた結果にもとづき、様々な時空間スケールにおいて汎用可能な調査方法と、体感温熱環境の面的評価の方法について検討する。ここではまず、モバイルセンサーにより得られた計測データの有効性を検証する。アメダスや大気汚染常時測定監視局(そらまめ君)等の定点観測データと比較し、その妥当性を確かめる。次に、得られた結果について、各種気候環境(気温、湿度、風、放射などの基礎データ)を面的に評価し、分布図を作成する。その際、地表面データとの対応を検討する。それらのデータからWBGT指数やSET*、PMVなどの各種体感温熱指標の数値計算を行う。以上で算出された体感温熱指標と、得られた人体生理データとの関係を解析し、生気象学的な観点から裏づけを行う。その結果を統合し、体感温熱指標を面的に評価する。以上で得られるビッグデータをユーザーにフィードバックするシステムを構築し、各種の社会実験に応用する。
今年度の研究概要
前年度はセンサーの試作品が完成し、今年度は現場への適用が行われる。しかし新型コロナウィルスの関連で、つくばおよび東京での野外観測やドイツでの二国間シンポジウムなど、予定していた一部の計画が延期されている。これらは最大で1年ほど先延ばしになると予想されるが、予定通り実行されるよう準備している。
外部との連携
試作品の製作はアカデミックエクスプレス株式会社(つくば市)との共同開発として行っている。
備考
1617NA001からの継続課題である。
- 関連する研究課題
課題代表者
一ノ瀬 俊明
- 連携推進部
研究連携・支援室 - 専門職
- 博士 (工学) (東京大学)(都市工学専攻論文博士)
- 土木工学,地理学