- 予算区分
- BA 環境-推進費(委託費) 5-1593
- 研究課題コード
- 1921BA017
- 開始/終了年度
- 2019~2021年
- キーワード(日本語)
- 分子鋳型,甲状腺ホルモン受容体,精密質量,データベース
- キーワード(英語)
- molecularly imprinted polymers,thyroid hormone receptor,accurate mass,databese
研究概要
本研究では, 甲状腺ホルモン受容体(TR)結合活性物質のスクリーニング手法を確立することを目的として,TR模倣分離基材によるクロマトグラフィー的手法と機器分析を用いたTR結合活性評価法を開発し,さらに,同法及び酵母アッセイと精密質量分析計との組み合わせによりTR結合活性化合物のデータベースを作成する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
1年目(2019年度)には、in vitro 試験による約600 種類の化学物質のTR 結合活性(アゴニスト及びアンタゴニスト)評価を行う。他の受容体結合活性試験に供した約500 物質について,in vitro 試験である酵母ツーハイブリッド法によりTR 結合活性を同一条件で測定して定量化する。その他公開されているデータベースや文献調査等も参照し,必要に応じて測定対象に加える。
2年目(2020年度)には、TR結合活性物質の精密質量データベースを作成する。また、
環境水試料のMIP 吸着画分からのTR 結合活性物質の探索:TR 結合活性が報告されている下水処理場排水を用い,TR結合活性物質を選択的に濃縮する分子鋳型(MIP) への吸着画分を,TofMS等を用いて測定し,精密質量データベースを用いてTR 結合活性物質の検出及び定量を行う。
3年目(2021年度)には、下水処理場排水等から検出されたMIP 溶出画分中のデータベース未収載のピークについて,サブテーマ1 で開発したMIP による活性測定を実施し,活性の強い順に構造推定の優先順位付けを行う。また,血液・尿試料を用いた甲状腺関連疾患のバイオマーカーを探索も試行する。
今年度の研究概要
昨年度のスクリーニング試験の結果,アゴニスト陽性を示した物質について,液体クロマトグラフィー(LC)/四重極(Q)/飛行時間型質量分析計(TofMS)を用い,プレカーサーイオン及びプロダクトイオンの精密質量を測定し,定性解析用データベースを作成する。またTR結合活性が報告されている下水処理場排水を用い,サブテーマ1で前年度に作製したMIPへの吸着画分を,LC/Q/TofMS(必要に応じてGC/Q/TofMSも)測定し,精密質量データベースを用いてTR結合活性物質の検出及び定量を行う。その結果から各検出物質の寄与率を算出する。
外部との連携
京都大学、県立広島大学