- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1921CD025
- 開始/終了年度
- 2019~2021年
- キーワード(日本語)
- フラックス,揮発性有機化合物
- キーワード(英語)
- flux,Volatile Organic Compounds
研究概要
森林・農地・都市などから大気へ放出・除去される物質の輸送量(フラックス)の測定法として簡易渦集積法があり、水銀やVOCなど様々な物質のフラックス測定に用いられてきた。しかしこの手法は、他の物理量から得られた経験的なパラメーターに依存するという本質的な欠点を抱えている。本研究は、超高速フロー制御技術を用いたサンプリングシステムにより経験的なパラメーターに依存しない真の渦集積システムを実用化すると共に、これを用いてVOCのフラックスを計測する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
本研究は、「経験的なパラメーター」に依存しないフラックス測定法である渦集積法の実用化を目的とする。これにより、高速分析装置を利用できないため半経験的な手法に頼らざるを得なかった様々な成分や同位体比に対して、信頼性の高いフラックス測定への道を開く。初年度は渦集積システムの開発を行うと共に、室内実験及びシミュレーションによるシステムの検証を行う。渦集積システムでは、鉛直風速に応じてサンプリング量を高速で変化させる必要があるため、超高速応答のマスフローコントローラー等を調達する。また本研究課題を遂行するに当たり、二酸化炭素による検証が必須なため、専用の赤外線ガスアナライザーを調達する。室内実験では過去に観測された大気乱流データをシステムに入力し、様々な大気乱流データに対する渦集積システムの応答性を検討する。2年目以降は開発した渦集積システムを森林サイト等に設置して実地検証を行うと共に、渦集積システムの応用として森林植生によるVOCのフラックス計測に取り組む。
今年度の研究概要
今年度は疑似的な風速データを用いて渦集積システムの応答性を検討すると共に、開発した渦集積システムを森林サイト等に設置して実地検証を行う。
外部との連携
森林総合研究所、京都大学
- 関連する研究課題
課題代表者
斉藤 拓也
- 地球システム領域
物質循環観測研究室 - 上級主幹研究員
- 博士(地球環境科学)
- 化学