- 予算区分
- BA 環境-推進費(委託費) S?-1-2
- 研究課題コード
- 1820BA010
- 開始/終了年度
- 2018~2020年
- キーワード(日本語)
- 高病原性鳥インフルエンザウイルス,絶滅危惧鳥類
- キーワード(英語)
- highly pathogenic avian influenza virus,endangered bird
研究概要
希少鳥類における高病原性鳥インフルエンザウイルス(HPAIV)感染対策の確立を目的とし、HPAIVの早期発見の新技術開発、希少種のHPAIV感染に対する感受性解明、周辺に生息する一般種の感染源としてのリスク評価、希少鳥種生息環境清浄化技術の確立および希少種での感染を想定した抗ウイルス薬により治療の可能性を検討する。
研究の性格
- 主たるもの:行政支援調査・研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
生体感染実験によって死亡率が既知の種(モデル鳥類)の培養細胞へ、高病原性鳥インフルエンザウイルスを感染させ、感染前後の遺伝子発現パターンの変化、特にウイルス抵抗性に関連する遺伝子(Mx遺伝子等)の発現パターンの変化を解析する。これによって、死亡率が高い鳥類種と低い鳥類種の遺伝子発現パターンの特徴を把握する。次に国内で死亡事例が確認されている希少鳥類の培養細胞に高病原性鳥インフルエンザウイルスを感染させ、遺伝子発現パターンの変化、特にウイルス抵抗性に関連する遺伝子(Mx遺伝子等)の発現パターンの変化を解析する。この発現パターンをモデル鳥類における結果と比較し、死亡率が高い種の遺伝子発現パターンの特徴を絞り込む。最後に、その他の希少鳥類の培養細胞に高病原性鳥インフルエンザウイルスを感染させ、死亡率が高い鳥類種の遺伝子発現パターンの特徴を持つ希少鳥類種が存在するのか確認する。
今年度の研究概要
高病原性鳥インフルエンザウイルスを感染させた培養細胞からRNAを抽出するとともに、その一部から逆転写反応によってcDNAを合成する。合成したcDNAを用いて、主に抗ウイルス性タンパク質遺伝子の発現パターンを鳥類ごとに、リアルタイムPCRで経時的に観察する。飼育下繁殖が実施されている鳥類種の遺伝子発現パターンとモデル鳥類細胞で得たパターンと比較し、各希少鳥類に対するウイルスの病原性(死亡率の高低)を評価する。最終的には、高病原性鳥インフルエンザウイルス感染に対する培養細胞を用いた非侵襲的な感受性評価法の確立を目指す。
外部との連携
鳥取大学、北海道大学、鹿児島大学
課題代表者
大沼 学
- 生物多様性領域
生物多様性資源保全研究推進室 - 室長(研究)
- 博士(獣医学)
- 獣医学,生物学
担当者
-
浅倉 真吾