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里海里湖流域圏が形成する生物生息環境と生態系サービスに関する検討(平成 31年度)
Study of habitat environment and ecosystem services at SATOUMI Basin

予算区分
AH 地環研
研究課題コード
1820AH004
開始/終了年度
2018~2020年
キーワード(日本語)
里海,里湖,生態系機能,地環研
キーワード(英語)
SATOUMI, SATOUMI, ecosystem functions, chikanken

研究概要

連絡会議を通じて,各機関における本年度調査研究の計画と進捗状況の発表及び相互の意見交換を実施、併せて各地環研の取り組む現場における合同調査や共同実験を実施する。具体的には、1)アサリ等有用水産資源やその他の底生生物の生物多様性の維持と回復に及ぼす捕食者及び採取圧の実態調査を実施する。2)流域圏におけるブルーカーボン評価に必要な難分解性有機物由来の炭素含有率の原単位算出に必要な室内実験を実施する。調査の現場として、田園・農村から都市域に至る利用度の大きく異なる里海・里湖、降雨時に大きく攪乱される直線河道と蛇行型自然河道,人間の立ち入りを制限してきた立地と立ち入り自由な立地、における比較を計画している。最終的には利活用圧の高い都市域では欠落しがちな概念,生態系サービスは無限無償ではなく,適切な利活用強度が公益の持続性を支えることへの市民の理解・共感を促すこと,田園農村では現在までに減少してしまった利活用の担い手の回復,今後の賑わいを支える市民への活動周知への到達,といった,都市と地方を交えた地域循環共生圏構築へ貢献する。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本研究の目標は、1:地環研等により継続的に取得・蓄積されてきた公共用水域等における水質・底質環境および生物分布情報等から、生物の生息環境等とその変遷を整理すること、2:各地域において対策・対応が求められている水質浄化、ブルーカーボン等による温暖化緩和、漁業生産等の生態系サービスを評価し、1で整理された生物生息場の環境情報との関係性を探索することにある。
生息場環境については、優占種のみならず、各地域における風土や立地の違いを勘案した指標種、すなわち希少種、絶滅危惧種、水産有用種、有害生物種、外来種、侵入種等を対象とし、生息地好適性指数(HSI)等を活用し整理することを想定している。
生態系サービスについては、先行研究で確立した生態系機能の評価(現地における一次生産速度および有機物分解速度の計測)を継続して実施するとともに、各地域で求められる生態系サービスについて評価を試みる予定であるが、流域圏内あるいは水域の種類(内湾、湖沼等)に応じたサブグループを編成し、サブグループ内で共通のサービスについて横断的に検討することも視野に入れている。特にブルーカーボンの評価については、炭素貯留量の算出に必要な室内実験等は別途サブグループを編成し効率的に実施する。得られた結果について、里海里湖の景観多様性や利用強度から算出される指数に基づき評価することとし、各地域の実情に沿った里海里湖の適切な管理手法の提案を目指す。  

今年度の研究概要

連絡会議を通じて,各機関における本年度調査研究の計画と進捗状況の発表及び相互の意見交換を実施、各地環研の取り組む現場における合同調査を実施する。分科会方については,1)生物多様性の回復を目的として改良されてきた環境技術である鉄枠網掛け法が,富栄養化に加えて採取圧も極めて高い都市の干潟で適用できるのかどうかの検証を継続する。2)流域圏における炭素貯留,ブルーカーボンの評価に必要な水界の難分解性有機物に含まれる炭素含有量の原単位算出のため,実験室内で多様な水界生物や底質の生分解試験を継続する。
 生物多様性,生物量の野外調査の現場として,田園・農村から都市に至る利用度の大きく異なる里海や里湖,降雨時に大きく攪乱される直線河道と蛇行自然河道における比較を実施している。利活用度の高い都市域において市民に欠落しがちな,生態系サービス(ES)は無限・無償な資本ではなく,適切な利活用度がESの持続性を支えていることへの市民の理解・共感を促すこと,一方,田園農村では現在までに減少した利活用の担い手の回復,今後の賑わいを支える市民への魅力ある活動の紹介,といった,都市と地方を交えた情報・技術の交流を目指す。

外部との連携

茨城県霞ケ浦環境科学センター、栃木県保健環境センター、公益財団法人東京都環境公社 東京都環境科学研究所、川崎市環境総合研究所、横浜市環境科学研究所、山梨県衛生環境研究所、浜松市保健環境研究所、三重県保健環境研究所、公益財団法人ひょうご環境創造協会 兵庫県環境研究センター、広島県立総合技術研究所 保健環境センター、鳥取県生活環境部 衛生環境研究所、山口県環境保健センター、福岡市保健環境研究所、三重県水産研究所、広島県立総合技術研究所 水産海洋技術センター、谷津干潟ワイズユース・パートナーズ 谷津干潟自然観察センター

課題代表者

矢部 徹

  • 生物・生態系環境研究センター
    生態系機能評価研究室
  • 主任研究員
  • 博士(理学)
  • 生物学
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