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人口減少・高齢化地域における一般廃棄物の持続可能な処理システムの提案(平成 31年度)
Sustainable systems of municipal solid waste management in depopulated and aging areas of Japan

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 3-1907
研究課題コード
1921BA011
開始/終了年度
2019~2021年
キーワード(日本語)
人口減少,高齢化,一般廃棄物,持続可能性,シナリオ分析
キーワード(英語)
depopulation, aging, municipal solid waste, sustainability, scenario analysis

研究概要

一般廃棄物の主要な処理方法は焼却であるが、老朽化した焼却施設を更新することが財政的に困難な市町村の数は今後も増加することが見込まれる。小規模の市町村が単独で焼却施設を運営している場合、その焼却処理能力は小さく、エネルギー回収及び事業運営の観点では非効率である。また、将来的にはライフスタイルの変化や、高齢化による使用済み大人用紙おむつ等の発生量も増加すると想定され、一般廃棄物の発生量減少に加えて、焼却ごみの性状が変化する可能性が高い。
本研究は、人口減少・高齢化地域において一般廃棄物の持続可能な処理システムを提案することを目的とする。まずは三重県をモデル地域として研究を実施して研究の熟度を高めた上で全国レベルでの検討に展開する。4つのサブテーマを構成して目的を達成する。サブテーマ1では、将来の人口減少・高齢化地域における一般廃棄物発生量及び性状を予測する。サブテーマ2では、焼却ごみの「直接焼却」、「自区内」、「直営」処理に代わる資源化システムを描出し、ライフサイクルインベントリを分析するためのモデルを構築する。サブテーマ3では、描出した資源化システムを実現させるための事業運営体制を検討し、人口減少・高齢化地域において資源化事業の実現に向けた具体的方策を提示する。サブテーマ4では、将来的に資源化事業が広域的に普及する場合の環境性、経済性、社会性に関する導入効果を評価し、地域循環共生圏の形成を例示する。
従来型の処理方法を再考し、人口減少・高齢化地域における一般廃棄物処理事業の在り方を提示する。単なる資源化システムの提案に留まらず、事業実現に向けた運営体制の形成にまで踏み込んで検討・提案することによって、持続可能な一般廃棄物処理事業の構築の一助となることを期待する。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

【サブテーマ1】将来の一般廃棄物発生量及び性状予測
1−1 将来の一般廃棄物発生量予測:
・将来人口統計や一人当たり発生量トレンドを踏まえて全国の各市町村における将来の一般廃棄物発生量を予測
1−2 将来の焼却ごみ発生量及び性状予測:
・高齢化・人口減少が顕在化している自治体を対象に焼却ごみの物理組成調査を実施
・焼却ごみの素材別の性状を既往文献から整理するとともに、上記物理組成調査に連動して性状分析
・人口減少や高齢化等の将来の社会変化によるごみ発生や分別行動への影響を構造化
・将来の社会変化を説明変数として、システム思考を用いてごみ発生や分別行動への影響を踏まえた焼却ごみの発生量及び性状(被説明変数)の予測モデルを設計
・係数及び活動量データを収集・更新し、予測モデルを実用化

【サブテーマ2】資源化システムモデルの構築及びインベントリ分析
2−1 資源化システムモデルの構築:
・国内外の事例から、焼却ごみの「直接焼却」、「自区内」、「直営」処理に代わる資源化技術を抽出
・三重県をモデル地域として資源化システム(分別収集、積替、資源化、資源利用等の各プロセスの組み合わせ)をモデル化
2−2 代替燃料化技術の実証:
・香川県三豊市の実施設において将来の性状を模擬したごみを調合し、生物乾燥(bio drying)及び分級技術を実証実験
・生物乾燥及び分級技術を最適化して代替燃料の品質(発熱量、塩素濃度)を向上
2−3 インベントリ分析:
・サブテーマ1の性状予測データ、2−2で得られたデータ、文献調査、関連施設へのアンケート・ヒアリング調査を実施してインベントリデータを収集
・三重県をモデル地域として処理処分・資源化を実施した場合のインベントリを分析
・インベントリ分析の他地域への汎用性を高める

【サブテーマ3】資源化システムの事業運営に関する検討
3−1 国内外における公共事業の官民連携に関する事例分析:
・公共事業全般(エネルギー、上下水道、交通、教育、福祉等)を対象とした官民連携の事例を分析
・国内の一般廃棄物処理事業への適用可能性を検討
3−2 三重県をモデル地域として資源化システムの事業化の可能性を検討:
・サブテーマ2で提案する資源化システムを踏まえて、事業の運営主体・連携主体の候補を抽出
・三重県内で事業化検討チームを結成し、本研究で提案する資源化事業の実現可能性に関して検討、改善点をフィードバック
3−3 資源化事業の一般化の試行:
・サブテーマ4で提案する地域類型に応じた資源化事業の運営体制の在り方を提示
・資源化事業の持続可能な運営に向けた具体的方策を提示

【サブテーマ4】資源化システム導入効果の評価
4−1 地域の類型化:
・各地の農業、畜産業、素材産業等の循環資源の需要ポテンシャルを推計
・資源化システムモデルを踏まえ、地域を類型化
4−2 SDGsおよび地域循環共生圏の概念を踏まえた資源化システム導入効果の評価指標の検討:
・SDGsや地域循環共生圏の概念等を踏まえ、想定される指標を抽出・整理
・サブテーマ3での主体間連携の検討結果を踏まえ、本研究で想定する評価指標を検討
4−3 三重県内における資源化事業の導入効果評価および地域循環共生圏の形成の可能性の検討:
・4−1及び4−2に加え、サブテーマ1、3の検討結果を踏まえ、三重県内の各市町村における資源化事業の導入可能性を検討
・サブテーマ2のインベントリ分析をもとに、三重県をモデル地域として地域循環共生圏の形成の可能性および導入効果を評価
4−4 資源化事業の他地域への展開可能性検討、広域的導入効果の推計:
・資源化事業の導入パターン毎に全国で適応可能な地域・自治体を抽出し、さらに広域的に資源化事業が展開した場合の導入効果を推計

今年度の研究概要

【サブテーマ1】将来の一般廃棄物発生量及び性状予測
・三重県をモデル地域として、市町村及び高齢化世帯等へのアンケート調査及びヒアリング調査を実施し、人口減少や高齢化等の将来の社会変化によるごみ発生や分別行動への影響を構造化
・将来人口統計や一人当たり発生量トレンドを踏まえて全国の各市町村における将来の焼却ごみ発生量を予測
・焼却ごみの性状分析を実施し、基礎データを整備

【サブテーマ2】資源化システムモデルの構築及びインベントリ分析
・国内外の事例から、焼却ごみの「直接焼却」、「自区内」、「直営」処理に代わる資源化技術を抽出
・三重県をモデル地域として資源化システム(分別収集、積替、資源化、資源利用等の各プロセスの組み合わせ)をモデル化
・生物乾燥及び分級技術の実証実験に向けた準備、試行

【サブテーマ3】資源化システムの事業運営に関する検討
・公共事業全般(エネルギー、上下水道、交通、教育、福祉等)を対象とした国内外における官民連携の事例を分析
・サブテーマ?で提案する資源化システムを踏まえて、事業の運営主体・連携主体の候補を抽出

【サブテーマ4】資源化システム導入効果の評価
・各地の農業、畜産業、素材産業等の循環資源の需要ポテンシャルを推計
・SDGsや地域循環共生圏の概念等を踏まえ、想定される指標を抽出・整理
・サブテーマ?での主体間連携の検討結果を踏まえ、本研究で想定する評価指標を検討

外部との連携

京都大学、石川県立大学、株式会社エックス都市研究所、みずほ情報総研株式会社、三重県、三豊市

課題代表者

河井 紘輔

  • 資源循環・廃棄物研究センター
    循環型社会システム研究室
  • 主任研究員
  • 博士(地球環境学)
  • 土木工学
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担当者