- 予算区分
- BX 環境-その他 重金属等による健康影響に関する総合的研究
- 研究課題コード
- 1921BX001
- 開始/終了年度
- 2019~2021年
- キーワード(日本語)
- 脳,行動,金属
- キーワード(英語)
- brain,behavior,metal
研究概要
金属類が発達期の脳に影響を与え、後発的に様々な行動異常を誘導する可能性が示唆されている。発展途上国を中心に、食品や井戸水などから複数の金属類の複合曝露を受ける例も知られており、個々の金属影響と複合影響を比較する研究の必要性も指摘されている。これまで我々はヒ素の発達期曝露影響評価を行ってきたが、将来行う予定のヒ素と水銀の複合影響研究に向けた予備的な研究を行う。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
マウスモデルで、金属類が高次脳機能に影響を与える毒性値を検討する。曝露期間に関しては特に脆弱性の高い胎仔期に焦点を絞り、曝露量に関しては当初4用量で影響を比較し、1年次の試験後陽性反応、陰性反応の総合的評価を行い、十分に影響が検出できなかったと判断した場合には用量を再考して2年次からの試験に臨む。評価装置として集団型全自動行動測定システムIntelliCageを用い、評価項目としては行動量・飲水量・概日リズムといった一般な実験で利用される基礎的な行動指標のみならず、「偏った行動パターン」や「社会的関係性」といったヒト高次脳機能障害で認められる一連の行動異常の指標も含めた評価を行い、ヒト疫学的研究と対応付け可能な検討を行う。
今年度の研究概要
基礎的な行動(行動量、飲水量、概日リズム等)の検索をはじめとして、高次脳機能異常に起因すると考えられる同じコーナーに繰り返し入る常同行動や、他個体が入ったコーナーとの相関関係を見ることで行動の類似性を判別する社会構造分析を行うことで、高次脳機能への影響を検討する。
外部との連携
遠藤俊裕 フェノバンスリサーチアンドテクノロジー合同会社 代表社員
掛山正心 早稲田大学・人間科学部・予防医科学・応用生理学研究室 教授
課題代表者
前川 文彦
- 環境リスク・健康領域
生体影響評価研究室 - 上級主幹研究員