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渦鞭毛藻ー自由生活性バクテリアの”緩やかな共生関係”の解明とその情報を利用した無菌化技術の開発(平成 31年度)
Development of techniques to generate axenic strains based on the interactions between dinoflagellates and free-living bacteria

予算区分
NA 寄付
研究課題コード
1920NA001
開始/終了年度
2019~2020年
キーワード(日本語)
赤潮,渦鞭毛藻,自由生活性バクテリア
キーワード(英語)
red tide, dinoflagellate, free-living bacteria

研究概要

自由生活性バクテリアの共在は多様な藻類の増殖に影響を与えている。その中でも渦鞭毛藻Prorocentrum dentatum NIES-900はその増殖にバクテリアが必須であり無菌化できなかった。申請者はNIES-900と、共存する2種の自由生活性バクテリアとの間に物質を介した相利共生関係があることを見出し、NIES-900株を無菌培養することに成功した。本研究では、上記の知見をもとに、NIES藻類株コレクションにおける渦鞭毛藻株を対象に、網羅的に難無菌化株をスクリーニングし、藻類−自由生活性バクテリアの相互作用を明らかにする。また、その情報を利用し新規無菌培養法を開発する

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

渦鞭毛藻は安定的な培養が難しい藻類であり、その研究を困難にしている。その理由にバクテリアとの相互作用の存在が考えられる。実際に、複数種でバクテリアの存在が増殖に必須であることが報告されており、NIESが保有する渦鞭毛藻株の86%が非無菌株である。そのうちNIES-900株について、申請者は予備的な研究を行い、2種のバクテリアとの間に代謝産物を供給し合う相利共生関係があることを見出した。また、バクテリアが産生する代謝産物を添加したところ、NIES-900株を安定的に無菌培養することに成功した。本研究では、当施設に保存されている非無菌渦鞭毛藻株を対象に、ピペット洗浄法などにより無菌化を試みる。難無菌化株について、共在バクテリアのメタゲノム解析を行い、種組成とそれらが産生する代謝産物を推定する。その結果に基づき代謝産物を培地に添加することで、安定的な無菌培養を試みる。複数の培養株を比較することで、渦鞭毛藻−自由生活性バクテリアの相互作用について一般化し、新規無菌培養法を開発する。また、藻類側の代謝経路を明らかにするために、NIES-900株を含む無菌化成功株数種について、トランスクリプトーム解析を行い、近縁な易無菌化株と比較することで、代謝経路の欠落などの評価を行う。

今年度の研究概要

本年度はNIESーMCCが保有する渦鞭毛藻株について、難無菌化株のスクリーニングを中心に行う。
また、すでに難無菌化株であることが分かっているNIES-900を用いて、トランスクリプトーム解析を行い、その代謝経路と代謝産物の評価を行う。

課題代表者

鈴木 重勝

  • 生物・生態系環境研究センター
    生物多様性資源保全研究推進室
  • 特別研究員
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