ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

アオコが生産するシアノトキシンのモニタリングに関する検討(平成 31年度)
Development for monitoring of cyanotoxins

予算区分
AH 地環研
研究課題コード
1719AH002
開始/終了年度
2017~2019年
キーワード(日本語)
シアノトキシン,モニタリング,アオコ
キーワード(英語)
cyanotoxin, monitoring, waterbloom

研究概要

湖沼の富栄養化や地球温暖化の影響によりアオコ発生の広域化、長期化が危惧されている。アオコの中には有毒物質(シアノトキシン)を生産するものがあり、ミクロシスチンの他にシリンドロスパーモプシンやアナトキシンなどのシアノトキシンが知られている。特にシリンドロスパーモプシンについては欧米豪でも問題となっており、WHOが基準値を設定しようとしている。我が国では飲料水および農業用水をダム等の湖沼に頼っているところが多く、これらの富栄養化による有毒アオコの発生は重大な問題である。
H27-28年度に行った予備的検討では分析手法を提案するとともに、各地の予備的モニタリングを行った。予備的モニタリングではミクロシスチン以外のシアノトキシンとしてデオキシシリンドロスパーモプシンを検出するとともに、霞ヶ浦や奈良県のため池からアナトキシン-a産生株、沖縄県からはシリンドロスパーモプシンを産生する株も単離され、ミクロシスチンだけでなくその他のシアノトキシンを含めたモニタリングが重要であることが示唆された。
本研究では、ミクロシスチンを含むシアノトキシンの一斉分析手法を標準化するとともに、開発した分析手法を用いてシアノトキシンによる汚染状況のモニタリングを行い、日本の湖沼におけるシアノトキシンによる汚染の発生頻度、濃度等を把握し、淡水資源の有効利用に資することを目的としている。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

29年度
LC-MS/MSを用いたシアノトキシンの一斉分析手法を検討するとともに、シアノトキシン分析値のクロスチェックを行う(国環研)。
アオコが発生する湖沼の湖水試料を採集し、試料中のシアノトキシン量を分析するとともに、必要に応じて試料の一部を国環研に送付する(地環研)。得られたデータについて考察を行い、シアノトキシンの分析手法や検出頻度についての検討を行う。
30年度
LC-MS/MSを用いたシアノトキシンの一斉分析手法の標準化について検討するとともに、シアノトキシン分析値のクロスチェックを行う(国環研)。前年度に検討された手法を用いて、アオコが発生する湖沼水中のシアノトキシン量を分析するとともに、必要に応じて試料の一部を国環研に送付する(地環研)。得られたデータについて考察を行い、シアノトキシンの分析手法の標準化を行うとともに、シアノトキシンによる汚染状況についての検討を行う。
31年度
標準化されたLC-MS/MSを用いたシアノトキシンの一斉分析手法について検討するとともに、シアノトキシン分析値のクロスチェックを行う(国環研)。標準化された手法を用いて、アオコが発生する湖沼水中のシアノトキシン量をモニタリングするとともに、必要に応じて試料の一部を国環研に送付する(地環研)。得られたデータについて考察を行い、シアノトキシンによる汚染状況についての検討を行う。

今年度の研究概要

標準化したLC-MS/MSを用いたシアノトキシンの一斉分析手法について検討するとともに、アオコが発生する湖沼の湖水試料を採集し、試料中のシアノトキシン量を分析する

外部との連携

福岡県保健環境研究所

関連する研究課題

課題代表者

佐野 友春