- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1719CD006
- 開始/終了年度
- 2017~2019年
- キーワード(日本語)
- 腸内細菌,生体高次機能,環境化学物質
- キーワード(英語)
- gut microbiota, higher-order biological function, environmental toxicants
研究概要
近年におけるアレルギー疾患や発達障害増加の要因として、環境中の化学物質の関与が指摘されている。一方、生体高次機能、すなわち脳神経系、免疫系、代謝・内分泌系の機能破綻には腸内細菌叢のバランス失調が重要な役割を果たしているが、腸内細菌叢は環境変化の影響を受けやすいことから、環境化学物質曝露による腸内細菌叢の変化が疾患の発症・進展に関与する可能性が考えられる。本研究では、環境変化に対して脆弱な発達期を対象とし、室内ダスト中に含まれる化学物質曝露がアレルギー疾患や発達障害の発症・進展に及ぼす影響と腸内細菌叢との関連性について明らかにする。加えて、機能性食品による腸内環境の正常化を介した疾患の予防・改善効果についても検討する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
室内ダスト中の化学物質曝露による腸内細菌叢の変化と、小児におけるアレルギー疾患、発達障害増加との関連性を明らかにするため、動物モデルを用いて、化学物質の発達期曝露によるアレルギー性喘息、あるいは不安・学習障害に及ぼす影響と、糞便中腸内細菌叢の変化について検討する。化学物質は、室内ダスト中に高いレベルで検出される化学物質から選択する。疾患発症・進展との関連性が認められた場合は、病変局所における作用機序の解明と腸内細菌叢の詳細な解析を行う。加えて、機能性食品(水溶性食物繊維)摂取による腸内環境の正常化による予防・改善効果についても併せて検討する。
今年度の研究概要
TBEP曝露で認めたアレルギー性喘息病態増悪と腸内細菌叢および腸管免疫との関連について詳細な解析を行う。加えて、機能性食品であるグァーガム摂取によるアレルギー病態の予防・改善効果についても検討する予定である。また、Wistar系雌ラットを用い、離乳後から成獣期におけるTBEPの混餌経口曝露が不安・学習障害に及ぼす影響について検討する。影響が認められた場合は、腸内細菌叢解析を行うことにより、病態との関連について検討する。
外部との連携
明治大学、金沢大学