- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1718CD006
- 開始/終了年度
- 2017~2018年
- キーワード(日本語)
- 底質,金属,生態毒性
- キーワード(英語)
- sediment,metal,ecotoxicity
研究概要
化学物質を管理する上で生態系への影響評価は不可欠である。化学物質の多くは最終的に底質に高濃度に蓄積し、底生生物あるいは食物連鎖を通じて生態系全体に悪影響を及ぼす。しかし現状の化学物質評価は、底質での影響を考慮できていない。なぜなら底質は水系に比べて曝露経路が複雑であり、そもそも毒性影響を評価する指標が確立されていないためだ。そこで本研究は、底質に蓄積する有害物質の代表として重金属に着目し、底生生物内の「代謝的に利用可能な重金属蓄積量」を新たな底質毒性指標として確立することを目指す。新指標の確立は、高精度な底質毒性の予測を可能にし、ひいては適切な化学物質管理の発展に貢献することが期待できる。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
本研究では、底生端脚類の体内の亜鉛蓄積総量から解毒された画分を除いたMAF(Metabolically Available Fraction) 蓄積量と、成長阻害とが用量応答関係を示すことを明らかにする。複数種類の底質を混合し、段階的に亜鉛を添加することで、様々な濃度の粒子態・溶存態亜鉛への曝露をおこなう。
溶存態・粒子態の重金属濃度と粒径分布などの測定データから、重回帰分析などによってMAFおよび成長阻害影響を予測する体系的なモデルの作成を試みる。
今年度の研究概要
今年度は、上記の全体計画における亜鉛曝露試験と蓄積濃度の測定、およびデータ解析を実施する。また、昨年度得られた結果(ニホンドロソコエビを用いておこなった基礎条件の検討)を国際誌に投稿する。
- 関連する研究課題
課題代表者
日置 恭史郎
- 環境リスク・健康領域
生態毒性研究室 - 主任研究員