- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1618CD034
- 開始/終了年度
- 2016~2018年
- キーワード(日本語)
- ひ素,セレン,テロメア長,アジア
- キーワード(英語)
- Arsenic, Selenium, Telomere length, Asia
研究概要
地下水のひ素汚染はグローバル・ヘルスの重要課題の一つである.小児特有の影響が明らかになりつつある中で,テロメア長への影響は非可逆的な影響と考えられる.東南アジア・南アジアのフィールドでこれを確認するとともにひ素毒性の交絡因子として知られるセレンによる修飾の有無についても調べる.
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
東南アジア・東アジアのひ素汚染地域において環境保健学的な調査を行い,インタビューおよび生体試料の解析により,テロメア長へのひ素の影響を評価するとともに,他のエンドポイントにおいて修飾作用が確認されているセレンの及ぼす影響を検証する.
今年度の研究概要
・ミャンマー調査については,引き続き収集した生体試料について酸化ストレス指標の解析を行い,テロメアへの影響との関係を分析する.以上の結果を前年の結果と合わせて論文としてまとめ投稿する.また,調査対象地に(可能な限りは現地訪問の形で)結果のフィードバックを行う.
・バングラデシュについては,引き続き現地情報を収集しつつ,可能な範囲でデータ収集を行う.解析を開始した収集済の生体試料についてこれを完了するとともに,出生前および乳児期の曝露状況を評価,健康指標との関連およびそのセレンによる修飾を評価する.
・昨年度,あらたなひ素汚染地として報告されたインドネシア州パレンバンは,水においてWHO基準を超えるセレン濃度が検出されており,ひ素ーセレンの修飾関係を検討することが可能と考えられる.現地調査を実施し,環境・生体試料を収集して分析することを検討する.
・テロメアへの影響が,金属によっては非常に低い領域でも観察されることを踏まえ,日本人(女性)を対象として採取した尿試料について尿中Cd,As,Se等微量元素濃度の測定をICPMSを用いて行う.昨年度同対象者から採取した全血から抽出したDNAのテロメア長と尿中微量元素濃度との関連を検討する.
外部との連携
東京大学大学院医学系研究科、佐賀大学農学部、東洋大学生命科学部
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