- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1517CD030
- 開始/終了年度
- 2014~2016年
- キーワード(日本語)
- 放射性セシウム,水,流出特性,リスク管理
- キーワード(英語)
- radiocesium, water, discharge characteristics, risk management
研究概要
福島第一原発事故に起因して陸域に沈着した放射性Csは、いまだ大部分が残存しており水系を通じて流出している。水中の放射性Csのモニタリング、土地利用・地域別の流出特性、さらに長期的な環境動態評価は除染・帰還に向けて重要事項であるが、水中の放射性Csは0.001-0.1Bq/Lと非常に低濃度であり、前処理の煩雑さから定量データが極めて少ないという課題がある。本研究は、申請者らが開発した低濃度の水中の放射性Csの迅速モニタリング方法を活用発展させ、土地利用・地域別の放射性Csの流出特性・長期挙動評価を行い、地域と連携して除染・帰還後の残存する放射性セシウムへのリスク管理戦略の構築を目指す融合研究である。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
本研究では、産業技術総合研究所が開発した迅速モニタリングシステムを活用・発展させ、多地点(広域・土地利用別含め70地点以上)・継続的な水中の放射性Csを存在形態別にモニタリングする。次に、モニタリングデータから土地利用別・地域別の放射性Csの流出特性を推定し、複数のモデルを用いて、広域及び少流域における放射性Csの長期的な環境動態予測を行う。これらの評価結果をベースとして、複数の除染オプションの効果および費用分析を実施することで、除染・帰還後に残存する放射性Csのリスク管理戦略を構築する。
今年度の研究概要
2015年度:福島県内のため池でモニタリングを行う。定期的に放射性Csを含む水質測定を行い、季節変動を確認するとともに、年間を通じた放射性Csの流入・流出負荷量を推定する。
2016年度:引続きため池でモニタリングを行い、溶存態Csのソースと考えられる底質とリターを採取し、水を加えた抽出試験により溶出するCs濃度について明らかにする。
外部との連携
代表:産業技術総合研究所
連携:東京大学、京都大学、福島大学、岐阜大学、新潟大学
課題代表者
辻 英樹
- 福島地域協働研究拠点
環境影響評価研究室 - 主任研究員
- 博士(農学)
- 農学