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水害リスク情報提供サービス設計手法の開発(平成 30年度)
Development of methodology for designinig flood risk informarion dissimination service

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1618CD030
開始/終了年度
2016~2018年
キーワード(日本語)
水害,エージェントベースシミュレーション,サービス設計,時空間補間
キーワード(英語)
FLOOD, AGENT-BASE SIMULATION, SERVICE DESIGN, SPATIOTEMPORAL INTERPOLATION

研究概要

本研究は、地球温暖化の進行に伴い今後頻発が予想される水害リスクをリアルタイムかつ面的に把握し、水害に対する人々の反応も考慮できる水害リスク情報提供サービス設計手法を開発することを目的とする。特に、水害リスクの面的把握のために、リモートセンシングデータとSNS等の人の移動やコミュニケーション情報を組合せて解析する時空間補間手法、及び水害発生時の時々刻々と変化するリスクに対する住民の行動を分析するエージェントベースモデルを開発する。具体的には国内で発生した水害(茨城県常総市等)に関するケーススタディーを実施し、時空間補間手法で解析されたデータを用いてモデルを学習すると共に、水害発生時のエージェントの行動をシミュレーション分析して、水害リスク情報提供サービスの設計手法を開発する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

本研究では、はじめに水害地域の時系列の航空機画像を用いて浸水範囲を把握し、3D都市構造情報等と併せて水害状況を推定するとともに、被災地域周辺におけるSNS情報等のリアルタイム情報を用いて、水害リスクの3要素(ハザード、暴露、脆弱性)を時空間補間して推定する手法を開発する。次に、これらの水害リスクと実際の住民行動との比較分析を実施し、正常性バイアス等の集団心理的要因も考慮しながら、水害下における人々の行動を表現するエージェントベースモデルを開発する。最後に、開発されたモデルを用いて複数のリスク情報提供シナリオの下での住民行動シミュレーションを実施して、リスク情報提供サービス設計手法の開発を行う。

今年度の研究概要

前年度までに収集したデータ(特に携帯GPSデータ)を活用しつつ、これまでに予備的に実施してきたエージェントベースシミュレーションを高度化させることで、携帯GPSデータを活用した水害の避難行動シミュレーションを本格実施する。具体的には、前年度に携帯GPSデータの解析を通して明らかとした交通路の復旧状況の変化に応じた交通流の変化(特定地域への人の集中、渋滞、迂回交通など)を明示的に考慮した避難行動解析とシミュレーションを実施する。その結果を元に、水害時の適切な避難行動を促すとともに、避難行動を円滑化するための水害リスク情報提供サービスの設計手法の検討を進める。

外部との連携

研究分担者:統計数理研究所・モデリング研究系・教授・松井知子
研究分担者:統計数理研究所・データ科学研究系・助教・村上大輔

関連する研究課題

課題代表者

山形 与志樹