- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1719CD011
- 開始/終了年度
- 2017~2019年
- キーワード(日本語)
- ハノイ,PM0.1,透過型電子顕微鏡
- キーワード(英語)
- Hanoi, PM0.1, transmission electron microscopy
研究概要
国内では微小粒子(PM2.5)の環境基準達成率が低く、越境汚染や二次粒子生成がその一因とされるが、二次粒子生成過程を詳細に把握するためには、粒子状物質(PM)に与える排ガス中ナノ粒子や金属核粒子、バイオマス燃焼、さらには湿度や降雨による凝縮成長や湿性沈着の影響を、ナノ粒子まで含めて粒径別に評価する必要がある。本研究では、国内の越境汚染時に気塊の起源となり、さらに前述した様々な二次粒子生成に関わる発生源影響を同時期に観測できるベトナムハノイをモデルフィールドとし、PMをナノ粒子から粗大粒子まで粒径別に捕集、成分分析や画像解析を通じて発生源の複合影響を調査することで、国内での二次粒子生成を解明するための一助となるデータを収集する。さらに、降雨によるPM中汚染物質の水圏への移行についてもPM と雨水を同時に分析し、粒径別にその特性化を行う。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
本研究ではベトナムハノイにおいて、(1)PMの粒径別分級捕集と成分分析、(2)特徴的発生源の粒径別PM成分への寄与と雨水移行現象の調査、(3)東南アジア地域に強固な研究基盤の確立を行う。観測は複合的な発生源影響が確認できる、雨季の5-6月と乾季の10-11月に集中して行う。
○平成29年度は、モデルフィールドの3 大学を訪問し、研究協力関係の構築と観測場所の確保、小型PM2.5質量モニターの設置を行う。また、各種分析手法の確立と、次年度に向けたプレ観測を3大学で実施する。
○平成30年度は、前年のプレ観測(大気PMならびに表層水)に対する成分分析、画像解析、発生源影響評価を進め、必要な観測条件を決定する。雨季と乾季に3大学で集中観測を実施する。
○平成31年度は、前年度までの観測試料の分析と解析を進め、粒径別PM成分への複合的な発生源影響やそれらの気圏から水圏への移行について総括し、研究基盤確立に向けた現地シンポジウムを開催する。
今年度の研究概要
ナノサンプラーにより、ハノイ周辺の三箇所のPM0.1を捕集し、透過型電子顕微鏡で粒子形態観察を行う。雨水試料中の粒子状物質の電子顕微鏡観察を行う。
外部との連携
関口和彦 (研究代表者)埼玉大学
熊谷貴美代 (研究分担者)群馬県衛生環境研究所
藤野毅 (研究分担者)埼玉大学
三小田憲史 (研究分担者)埼玉大学
松見豊 (連携研究者)名古屋大学
- 関連する研究課題
課題代表者
藤谷 雄二
- 環境リスク・健康領域
統合化健康リスク研究室 - 主幹研究員
- 博士(工学)
- 工学