- 予算区分
- BY 環境-委託請負
- 研究課題コード
- 1818BY002
- 開始/終了年度
- 2018~2018年
- キーワード(日本語)
- 遺伝子組換え生物,セイヨウナタネ,遺伝子流動,アブラナ科,種間雑種,リスク評価
- キーワード(英語)
- Genetically modified organisms,Oilseed rape,Gene flow,Brassicaceae,Interspecific hybrid,Risk assessment
研究概要
生物多様性条約カルタヘナ議定書に基づく国内法においては、「遺伝子組換え生物の使用等により生ずる生物多様性影響に関する科学的知見の充実を図る」ことが位置づけられており、使用されている遺伝子組換え生物の環境中での生育状況の実態及び生物多様性影響が生ずるおそれについて、データの収集を継続的に行っていくことが必要とされている。本業務では、現在国内で使用(主に加工用に輸入)されている遺伝子組換えナタネ及びその近縁野生種等を対象として、生物多様性影響につながる現象が生じていないかどうかを監視するため、野外で採取された試料の分析を行い、自然環境中における導入遺伝子の拡散状況(近縁種等への遺伝子流動)を調査する。
研究の性格
- 主たるもの:行政支援調査・研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
ナタネ類(Brassica napus、B. rapa)、カラシナ(B. juncea)、その他のセイヨウナタネ近縁種、及びそれらの雑種における除草剤耐性遺伝子の流動に関する分析を行う。具体的には、野外の一般環境(ナタネ輸入港の周辺地域の主要道沿いや、主要道橋梁下の河川敷)で採取した母植物組織(葉)の種の推定、母植物組織及び種子における除草剤(グリホサート、グルホシネート)耐性タンパク質の分析、種子由来の実生の除草剤耐性試験ならびに除草剤耐性遺伝子の検出を行い、除草剤耐性ナタネの港湾周辺の一般環境における分布と除草剤耐性ナタネの近縁種との交雑状況を明らかにする。
今年度の研究概要
・外見からセイヨウナタネと近縁種の雑種である可能性が示唆された母植物個体から一部の組織を採取し、フローサイトメトリー、DNAマーカー等を用いて、可能な限り種の同定を行う。
・ナタネ類の葉、種子等試料からタンパク質を抽出し、免疫化学的手法を用いて除草剤耐性タンパク質の検出を行う。
・除草剤耐性タンパク質が検出された種子試料については、同一の母植物から得られた種子を播種し、実生が一定程度生長した後に除草剤を散布し、除草剤耐性の有無を調べる。なお、除草剤にはグリホサートとグルホシネートを用いる。
・除草剤グリホサートまたはグルホシネートに対する耐性が確認された実生からDNAを抽出し、除草剤耐性遺伝子の塩基配列をもとに作成したプライマーを用いてPCRを行うとともに、適宜PCR産物のDNA塩基配列を決定し、除草剤耐性遺伝子の検出を行う。
・DNAマーカーセットを用い、マーカー解析結果の多様性から生育場所での世代交代の有無を判別する手法の開発を試みる。
外部との連携
自然環境研究センター
筑波大学
備考
1717BY002継続
筑波大学(形質転換植物デザイン研究拠点共同研究 リスク評価・管理研究部門「野外一般環境におけるナタネ類等での除草剤耐性遺伝子流動の調査手法の開発」)
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