- 予算区分
- AQ センター調査研究
- 研究課題コード
- 1620AQ035
- 開始/終了年度
- 2016~2020年
- キーワード(日本語)
- 大気汚染,二次有機エアロゾル,化学イオン化質量分析法
- キーワード(英語)
- Air Pollution,Secondary Organic Aerosol,Chemical Ionization Mass Spectrometry
研究概要
揮発性有機化合物は大気汚染の原因物質のひとつであり、光化学オゾンや二次有機エアロゾルを生成し、人への健康被害が懸念される他、気象場の変化によって地域スケールでの水循環等や将来の気候にも影響を及ぼすことが考えられている。その影響を定量的に評価していくには、大気酸化過程の理解が必要であるが、低揮発性有機化合物の検出に見落としがあることが指摘されている。本研究では、化学イオン化質量分析法を用いたオンライン計測法で、これまで見落としていた含酸素揮発性有機化合物やオリゴマーなどの検出を行い、揮発性有機化合物の大気酸化過程の解明に貢献する。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
(1)「自動車からのエミッション」、「バイオマス燃焼」を対象に、揮発性有機化合物の放出源に関する研究を行う。前者については、中間−半揮発性有機化合物の検出およびそれからの二次有機エアロゾル(SOA)生成の評価を行う。後者については、従来法では過小評価気味の含酸素揮発性有機化合物の排出係数のオンライン測定法を用いた決定を行う。(2)反応生成物の生成・消失の速度に関する研究を行う。特にSOAの収率を説明できる化学成分(オリゴマーも含む)の検出・同定が重要で、負イオン化学イオン化の新規イオン源の開発も行う。(3)反応生成物の気相・粒子相での化学種の同定・定量を行う。また、エアロゾルの光学特性や吸湿性の変化についての研究も行う。
今年度の研究概要
大気粒子のフィルター試料の抽出等を行わない直接測定による有機成分の検出を試みる。検出手法としては、これまでの陽子移動反応質量分析法に加え、負イオン化学イオン化質量分析法、DART-MS法、FTIR法を試みる。
- 関連する研究課題
課題代表者
猪俣 敏
- 地球システム領域
地球大気化学研究室 - 主席研究員
- 博士(理学)
- 理学 ,化学